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Channel: 三鷹の森ジブリ美術館
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株式会社スタジオジブリ 三鷹の森ジブリ美術館 正社員募集のお知らせ(終了しました)

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受付は終了いたしました。ご応募ありがとうございました。

三鷹の森ジブリ美術館では、下記のとおり2018年4月1日入社の正社員を募集します。

募集職種および人数
美術館運営業務全般(若干名)

業務内容
  • 受付や展示室での接客、案内業務
  • 展示物や建物施設の維持管理業務
  • ショップでの接客、販売業務
  • カフェでの接客、調理補助業務

応募資格
  • 28歳までの方(若年層の長期キャリア形成を図るため)
  • チームで仕事をすることが好きな方
  • 語学力のある方(必須ではありません)
  • 普通自動車運転免許のある方(必須ではありません)

雇用形態
正社員

待遇・勤務時間など
  • 給 与...月給20万円以上
  • 通勤費...全額支給
  • 制 服...一部貸与
  • 昇 給...年1回
  • 賞 与...年2回
  • 福利厚生...社会保険完備
  • 休日休暇...週休2日制/年末年始休暇/年2回長期休暇あり(年間休日120日前後)
  • 労働時間...08:00~19:30の間のシフト制(実働8時間)
  • 勤務地...三鷹の森ジブリ美術館(正式名称:三鷹市立アニメーション美術館)
  • アクセス:JR三鷹駅・吉祥寺駅どちらからも徒歩約15分

※配属先により、公益財団法人徳間記念アニメーション文化財団へ出向していただきます。その場合も上記条件は同一です。


応募要領

提出書類
履歴書と自己紹介文のフォームをダウンロードし、本人が自筆で記入。
  • 履歴書 (最近3ヶ月以内の写真を貼付)
  • 自己紹介(800字程度)
    ※自己紹介は、ダウンロードした書式に記載されているテーマで記述してください。 

    三鷹の森ジブリ美術館社員応募書類(PDF・81KB)

応募締切
2017年8月31日(木)書類必着
 
選考方法
書類選考後、面接を実施し決定します。
応募締切後1ヶ月以内に、書類選考を通過された方にのみ電話にてご連絡します。
 
採用内定通知
2017年12月初旬

書類送付先(郵送でのみ受け付けます)
〒181-0013 東京都三鷹市下連雀1-1-83  三鷹の森ジブリ美術館 採用係


注意事項

*応募書類は返却いたしません。

*結果などについてのお問い合わせやご質問にはお答えできません。

*書類選考にもれた方には連絡が行きませんので、予めご了承ください。

*会社訪問は受け付けておりません。

*応募書類に記載された個人情報は、採用の目的以外には使用いたしません。採用期間中は厳重に保管の上、終了後直ちに破棄させていただきます。

以上


2017年8月

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8.1(火)

・朝、カフェデッキにあるミカンの木をじーっと見ていた松井さん。どうしたのかと尋ねてみると、何かの幼虫がいて観察をしていたそうです。昆虫が好きな松井さんが気になって調べてみると、アゲハチョウの一種でナガサキアゲハの幼虫ではないかとのことです。夕方になり、気になって再び見に行くと、脱皮をして少し大きくなっていました。その様子に早く立派なアゲハチョウになって飛び立ってくれるといいなと話してくれました。
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8.2(水)

・今年も夏休み限定のショップのワゴン販売をしています。今年は飴のつかみ取りに、"カルシファー"の絵が付いたマンゴー味の飴が登場。毎年この時期にご来館されているご家族から、「夏休みにここに来て、飴のつかみ取りをするのが楽しみなんです!」と、うれしい言葉を頂きました。ショップからちょっと外に出た場所でがんばっていますので、ぜひ覗いて行ってくださいね!


8.3(木)

・「見てください!こんなに刺されちゃったんですよ~!」と、蚊にたくさん刺された腕を見せに来たショップの永野くん。蚊もフレッシュな血を選んでいるのか、「最近、蚊に刺されなくなったなぁ...。」と少し寂しくなる夏です。


8.4(金)

・来館している子どもたちから、「今日のこと、帰ったら絵日記に書いていい?」「作文に書くんだ!」という会話が聞こえ、夏休み真っ盛りだなぁと実感するスタッフでした。


8.5(土)

・お客様から帰りがけにご挨拶をいただくことが多い出口に立っているスタッフ。今日は「ごちそうさまでした!」とのお声がけ。カフェに寄っていらしたのかなと思ったら、「企画展示で食べ物の絵をたくさん見たからつい...」と、笑いながらお話されていました。


8.6(日)

・ネコバスルームで並んでいたけれどなぜか中に入らなかった3歳くらいの男の子。理由を聞いてみると「ネコバスの目が光って、こっちをにらんでた...」と怖かった様子。子どもの目にはそう見えるのだなぁと、改めて子どもの気持ちを知ったのでした。


8.7(月)

・カフェデッキに蝶のサナギがいると山川さんに教えてもらった机さん。さっそく写真を撮ってきてくれました。
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<もしやこの前のアゲハチョウ?(8/1日誌参照)>


8.8(火)

・雨上がり、屋上から大きな虹がかかっているのが見えました。
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<にじゅうのにじ>


8.9(水)

・夏休み真っ只中だというのに、毎日すっきりしないお天気続きで気分も曇りがちになってしまいそうですが、美術館にいらっしゃる子どもたちは元気いっぱい!そんな子どもたちの笑顔を見て、スタッフも負けずにがんばろう!と意気込むのでした。


8.10(木)

・菅井さんがパティオの山小屋で作業をしていると、どこからともなくガサガサ、ピチュ、と音がします。「なにかいる...?」と思い、そこにある白樺の木を思い切ってどかしてみましたが、「やどさがし」のように虫たちがゾゾゾーと這い出てはいかなかったそうです。後日、ほかのスタッフが山小屋で作業をしていると、やはり音が...。「ぜったいいる」「なにものだろう」と盛り上がっています。


8.11(金)

・現在、土星座で上映中の短編映画「やどさがし」は、お客様の笑い声がたえない映画なのですが、エンディングでもう一笑い起きるポイントがあります。ご覧になってない方は、ぜひそこを楽しみにして来てくださいね。


8.12(土)

・トライホークスで3歳くらいの女の子が、絵本を指差しながらお母さんに「これはカルシファーだよ」とお話し中。スタッフが「難しい名前なのにすごいね!」と話しかけると、フィルム付ききっぷを取り出し「きっぷは"ポニャ"なの」と教えてくれました。かわいらしい呼び名についつい顔がほころぶ出来事でした。


8.13(日)

・ショップのレジに置いてあるショップカードに、女の子が猛然と"ネコバス"の絵を描いて、レジの日下くんにプレゼントしてくれました。思いがけない出来事に、小躍りする日下くんなのでした。


8.14(月)

・あっという間に8月も半ばとなり、阿波踊り本番が近づいてきました。今日は閉館後に練習があるようで、ある人は下駄を持ち、ある人は下駄を履き、カッカッカという音を響かせ練習へ向かいました。雨の日でも暑い日でも頑張っている姿を見ていると、今週末にある本番が楽しみでしかたありません。


8.15(火)

・生き物係の机さんは、美術館の虫情報を集めて色々と教えてくれます。今日は2個並んだ蝉の抜け殻を発見。こんなに至近距離で、どう脱皮したんだろうと矯めつ眇めつ眺めていたそうです。
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8.16(水)

・出口付近で手を洗う場所を探していた小学生の男の子。カフェデッキにあることを伝えて「きちんと手を洗って偉いね!」とお話をすると、「ちゃんと手を洗ってこないとお弁当食べられないよって言われた!」と小走りで手洗い場に向かっていきました。その後、男の子は席に戻って無事ご飯にありつけたようで、きれいになった手で大きなおにぎりを口いっぱいに頬張っていました。


8.17(木)

・館内を歩いている姉妹の女の子が、「たぶんこの辺にネコバスがいるね!」と嬉しそう。お母さんが「来たことないのにわかるの?」と聞くと、「だってネコバスのにおいがするもん。あ、いた!」とネコバスルームにたどり着きました。子どもには不思議な感覚があるんだなぁと思うスタッフでした。


8.18(金)

・「三鷹上空に雨雲がないのに、雨が降ってきたよ...」と梨子木くんを見つめる宮村くん。なんと梨子木くんが外エリアに異動してから毎日雨や曇り空なのだそう。おそるべし雨男...。早速、外でも伝説を作ってくれそうな梨子木くんです。


8.19(土)

・今日は三鷹の阿波踊り。二ヶ月間練習を重ねてきたスタッフの晴れ舞台です。が、なんと着付けも終わり順番を待っていたころに、豪雨と雷のため、中止の決定が。50周年という節目の年ということもあり、がっくりと肩を落とすメンバーたち。今年は新人さんも多く練習にも熱が入っていたため、「初めての年が中止なんて...」としばらく放心状態でしたが、「来年は必ず!」と励まし合ったのでした。
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・一方、美術館では、お客様を安全なところに誘導し、スタッフもテントの中に避難しました。そんな中で自分の足元に小さい蝶々がくっついていることに気がついた豊村さん。「ここで今離すのもかわいそうだし、一緒に雨宿りしようか!」と言って少しの間蝶々と一緒に雨宿りをしていました。


8.20(日)

・展示室に配属されて4ヵ月が経った雫石くん。展示室ではお客様からご質問を受けることも多く、この日も美術館のコンセプトなど色々なことを一生懸命お話していました。その後お客様から嬉しいお言葉を頂いた雫石くんは「これからも頑張ろう!」とより一層やる気をみなぎらせています。


8.21(月)

・お盆に実家のある福井県に帰省した森田くん。"精霊船(しょうらいぶねおくり)"という、大人が4~5人乗れるほどの藁で編んだ船を海に流す行事に参加したそう。その話を聞いて、長崎出身の松尾ママさんは、「うちの方では、子どもからお年寄りまでみんな爆竹を鳴らしながら歩くから、騒々しいんだよ」と、地方色豊かなお盆の話を聞いて、日本各地からスタッフが集まっていることも、ジブリ美術館の面白いところの一つだなぁと感じました。


8.22(火)

・どちらも業者さんから送られてきた果物です。とても大きな粒の種なしピオーネ@山梨みさかに、とてもジューシーな幸水@千葉ふなばし。日々、季節の移ろいの中で働いているスタッフですが、果物からも暦の上では既に秋が始まっていることに気づかされ、ありがたくいただくのでした。
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8.23(水)

・トライホークスにある葉っぱのトレーを気に入って、手放せなくなってしまった欧米の男の子にスタッフが折り紙でトトロを作って見せてあげることになりました。初めて見る折り紙で、みるみる出来上がるトトロに目を輝かせています。完成したものにとても喜んでくれて、なんと頬にチューをしてくれた男の子。スタッフも男の子の喜ぶ姿を見て、嬉しい気持ちでいっぱいになりました。


8.24(木)

・海外からお越しのお客様。日本語がとても上手でお話を伺ってみると、15年ほど前まで日本に住んでいらしたとのこと。ただ、美術館ができてすぐ帰国してしまい、ずっと美術館に来たかったので、今日は長年の夢が叶って嬉しいと、あふれんばかりの気持ちをお話してくださいました。


8.25(金)

・秋田の高橋さんから手作りお惣菜が届きました。どれも優しい味で、夏の疲れの溜まったこの時期。体にしみわたり、とても美味しくいただきました。ありがとうございました。
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8.26(土)

・よくカフェに来てくれる澤さんのファンの小学生の男の子が来店。澤さんが産休に入ることを知っていて以前も手作りのお守りを作ってきてくれたのですが、この日はいよいよ産休前に会える最後の日。いつもは座らないカウンターの席に座って、澤さんにパフェを作ってもらい、たくさんお話をして、お帰りになりました。産休中はカウンターの根津くんが澤さんからバトンを受け継ぎ男の子と仲良くするそうです。


8.27(日)

・夏のワゴン販売で、今年もあめのつかみ取りをしているのですが、グループの中で誰が代表でつかむか相談している姿をよく目にします。高校生くらいの女の子三人組が、「誰の手が一番大きいか比べて決めよう!」と、手の平を合わせて代表を決めていました。選ばれた子がみんなの熱い視線を浴びながら、いざつかみ取りに挑戦!見事に三人で分けても余るほど取れて喜んでいました。


8.28(月)

・毎年来てくれている男の子の兄弟。照れもあってか昔のように「こんにちは!」といえない姿に、成長を感じる2児の母小山さんなのでした。


8.29(火)

・今日は休館日を利用して、三鷹市の小学生を招待し「こどもの時間2017~あそぼう!夏のジブリ美術館~」を実施しました。
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美術館内を自由に周り、シャボン玉やおえかき、ベーゴマなどの昔遊びのコーナーなどで遊び、思い思いの時間を過ごす元気いっぱいの子どもたち。スタッフはそんな子どもたちのパワーに押され気味で大わらわでしたが、美術館らしい楽しい夏の一日になりました。
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8.30(水)

・常設展示室にいた男の子が、「大根の神さまのにのりたいー」とお母さんに話しかけていました。何のことだろうと不思議に思っていると、お母さんが「『千と千尋の神隠し』のおしら様が載っているエレベーターのことなんです」と教えてくださいました。


8.31(木)

・カフェで並んで待っていた男の子。夜に星を見るのが楽しみで、星にまつわる歌を歌ってくれました。すると、並んでいた他の子どもたちも歌い始め、ささやかな合唱の場に。今夜は晴れますようにと願うスタッフです。

ガラスの中に広がるトトロの森――【とんぼ玉トトロ】

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20170901s49.jpg企画展示「食べるを描く。」にあわせて、DVD『人間はなにをたべてきたか』全8巻をご紹介中です。
もともとは高畑勲、宮崎駿両監督がテレビ放映当時に観て感銘をうけたというドキュメンタリー番組。
そこに映し出されているのは、肉、米、雑穀など、有史以来人類が食べてきた18の食物と、その食物によって育まれてきた様々な国や地方の風土。丹念な取材で記録された、食と向き合う人々の姿は圧巻です。
特典として高畑勲、宮崎駿両監督と各収録作品の番組制作者との座談会も収録されています。
食欲の秋、この機会に美術館で「食べる」を考えてみてはいかがでしょうか。
今日の何気ない日常の食事がみなさまにとってすばらしい糧となりますように。




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ガラスの中に広がるトトロの森―――【とんぼ玉トトロ】

ネックレスや腕輪になって輝くうす緑色のガラス玉......《とんぼ玉》と呼ばれる装飾品です。
目を近づけてよく見ると、数々の草花や木の実、そしてそのあいだにはトトロたちが見え隠れしているのがわかります。
しかし、それらは単に絵で描かれているのではありません。
この指先ほどのガラス玉のなかに、どうやってこの小さな世界をつくりだせるのでしょうか。
ガラスを溶かしながらつくっているうちにトトロも溶けてしまったり、模様が混ざってしまったりしないのでしょうか。
今回は、そんなとんぼ玉づくりの不思議を探りに、緑あふれる清里へと行ってきました。

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▲トトロ とんぼ玉 左:横型16,000円(税別)/右:縦型20,000円(税別) 




とんぼ玉の中にトトロが住み始めた日

迎えていただいたのはガラス工芸家の城下鮎子さん。
ガラスをバーナーの炎で熱しながらの繊細な作業をこつこつと丹念に、お一人で手がけています。

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▲城下鮎子さん/レザークラフト、七宝焼きなどを経て、ガラス作家・内田敏樹氏に師事し2000年よりとんぼ玉の制作をはじめる。その後、ステンドグラス作家・八田氏の勧めによりトトロのとんぼ玉に着手。2012年に埼玉県朝霞市から山梨県北杜市に移住。

数年前に初めて"とんぼ玉"、を拝見したとき、驚いたのを覚えています。
どうやってあのような模様がつくられているのか、不思議でした。

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▲とんぼ玉の模様
  
城下  とんぼ玉は写真を見てもつくり方はわかりませんよね......。
私は諏訪のガラスの里、という所でとんぼ玉に出会ったとき、あまりに綺麗で感激して、これを絶対につくりたいと思ったんです。
でもその頃「とんぼ玉の作り方」というようなハウツー本がほとんどなくて。
最初は手探りでつくりはじめたのですが、師匠について、本格的に教えてもらうことにしたのです。

そこからどんどん技術を習得し、ご自分の作品展や講座を開くほどの腕前に......。その創作意欲に驚きです。

城下  難しい技術であればあるほど、なんでも「やってやろう!」と思う方なんです。
でも、最初にトトロのとんぼ玉をつくるお話をいただいたときは、正直戸惑いましたね。

城下さんをトトロの世界に誘ったのは、同じ清里に工房を持つ八田ゆり子さん・八田高聡さんご夫妻だと伺っています(ご夫婦はジブリ美術館のステンドグラスを手がけた作家。マンマユート便りvol.13参照)。
出会いはどのようなものだったのでしょうか?

城下  清里・萌木の村で作品展を開いたとき、とんぼ玉の制作実演をしに会場に出向いたのです。
実演中、とんぼ玉に興味があったという八田さんがふらりと見に来られたのがはじまりでした。それからしばらくして、「トトロの玉をつくらない?」って言われて。驚きました(笑)。

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▲この日も八田さんのご訪問が

それがジブリ美術館へとつながるきっかけでしたか。

城下  ジブリ美術館からのお話だとわかるまでに時間がかかりましたが(笑)。
とにかくやってみようということになり、多くの資料にあたったり。宮崎監督の話されたお言葉も読んだりとか、自分の頭の中にトトロの世界が入るようにイメージづくりをしました。

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▲「この写真を見つけて、この雰囲気がいいんじゃないかと思って」(城下さん)。イメージしたのはトトロの寝床の緑の風景

トトロの世界のイメージをご自分の中で膨らませていったんですね。

城下  自分のイメージのためにいっぱい絵を描いてました。トトロは耳の形も独特なことがわかったり。
最初は手に爪もつけていたんですが、全部をリアルにすると小さなガラスの世界では細かすぎて違和感があるので、ある程度は省略したりといろいろやってみました。

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▲「大トトロのおなかの模様は下が五つで上が四つですが、いっぱい入ってると絵的に細かくなりすぎるので減らしました」(城下さん)

とんぼ玉の中で表現されたトトロ、いちばんのポイントは何でしょうか?

城下  とんぼ玉はくるくると回るものなので、どこから見ても裏表がないようなデザインにする必要があります。

なるほど。平面なようで奥行きがある上に、エンドレスな世界になっているのですね。
背景とキャラクターが層になっているとんぼ玉は、アニメーションのセル画のようで、トトロの緑豊かな森の表現にぴったりでした。

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▲花びらやクロスケの層の奥に葉が重なり奥行きがあるのがわかるでしょうか

こちらからもいろいろとお願いを出させていただいて、販売までは半年くらいかかりましたね。

城下  八田さんのチェックも厳しくて(笑)。でもそのおかげで世界観をつかむことができたんです。

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▲緑にかこまれた城下邸は、なんと八田邸と同じ別荘地内にある。「主人が定年退職で田舎暮らしがしたいと言い出して、土地を探したら八田さんの隣が売りに出ていて......。少しでも知り合いがいる所がいいかなぁと(笑)」(城下さん)



とんぼ玉の作り方

では、そんな『となりのトトロ』を題材としたとんぼ玉はどのようにつくられているのでしょうか? 
オリジナルのガラスの世界ができるまでを城下さんに見せていただきましょう。

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▲使用するガラスはすべて国産を使っているそう

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▲城下さんの作業スペース。色とりどりの棒状のガラスが並ぶ

草花やトトロなどのパーツをつくる

よく見るとキャラクター以外にも、色とりどりの草花が豪華にたくさんちりばめられていますね。

城下  まず、ひとつずつのパーツを先につくらなければならないのですが、種類がたくさんあるので製作時間合計だと実はここにとても手間をかけています。

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▲たったひとつの花をつくるのにも3、4時間かかるそう

組みあめのつくり方(マンマユート便りvol.02参照)と同じように、色ガラスを何色も組み合わせた模様入りのガラス棒をつくり、それをどんどん細く引き伸ばして細いガラス棒を作るわけですね。

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▲トトロを例にすると、耳、目、ヒゲ、口などを別々に作り、組み合わせてひとつのトトロのパーツをつくる

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▲棒状に完成したトトロパーツ

城下  そうです。細かい柄入りのパーツを、玉をつくりはじめる前に何種類も作っておくわけです。

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▲作りためたパーツのストック。豊富な彩りの草花が

形のゆがみはでないのでしょうか?

城下  ガラスはひっぱると周りが小さくなるんですよね。
しっかりと火を通して引っぱりますが、ガラスがまだ硬いときに引いてもだめだし、長く炙っても柔らかくなりすぎて細くなりすぎてしまうのでタイミングが大切です。

それをさらに薄く切るのも難しそうですね。

城下   切り方によってもゆがんでしまうので、トトロを切るのがほんとうに緊張します! 
いつもはガラス切り(ハサミのように使う道具)を使いますが、一度電動のバンドソーを試したのです。
でもそれだと断面がギザギザしているので、ガラスがくもっちゃう。なのでやはり慎重にひとつひとつ手で切ることにしました。

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▲できるだけ均等に薄く切る

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▲こちらがクロスケのパーツ。表面がツルツルしているので表情がクリアにみえる

とても細やかな作業の連続ですね。

城下   いっぱいつくっていっぱい失敗して......。長年やっていても、耳のバランスに納得がいかなかったり目の大きさが違ったり、成功率は低いんです(苦笑)。
だからトトロのパーツのストックを使い切ってしまうと、「またつくらなければならない〜」って、いまだに思います(笑)。

薄くカットしたパーツをガスバーナー付属の皿に並べて、これでようやくとんぼ玉作りの準備が整ったわけですね。

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地玉をつくる

城下   事前の仕込み(パーツづくり)が整ったら、玉をつくる作業に入ります。
まず、芯となる棒にバーナーであぶったガラスを巻きつけていきます。

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▲下地となるガラスを巻きつけていく。完成後に棒を抜くとひもを通す穴になる。

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▲透明のものの上に乳白色のガラスを重ねて形を整える

城下   できあがった地玉の上に、細い色ガラスの先端を何色も溶かして葉っぱをつくっていきます。
葉っぱは上下で色を変えてつくります。下の層ですからあまり目立たないんですけど、やるとやらないとでは違うんじゃないかなと思って。

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▲緑色のガラスを熱し地玉に葉を描いてゆく

城下   葉っぱの模様が描けたら、その上から透明ガラスをかぶせます。
このとき地玉が冷めていると透明ガラスと地玉の間に白く膜が入っちゃうので、ある程度保温しておくんです。
熱くしすぎるとぐにゃって溶けちゃうので、中が溶けない程度にして。その加減が難しいです。

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▲透明ガラスをかぶせる。くもりが入りやすいのできれいにしておく。手の油がついても透明ガラスはくもってしまう

城下   森の中の感じをだすのに、さらに葉っぱを表面に描いていきます。
葉っぱを描くのに下地の白、その上に薄い緑、きらっと光るように金箔を練りこんだモスグリーン。
これだけだとつまらないので葉っぱの元のほうに濃い色のガラス、そしてさらに葉っぱの先端には赤いガラスを入れていきます。

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▲白いソーダガラスを下地にする。その上に薄い緑、濃い緑を載せ、葉っぱの先に赤を少し足す

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▲千枚通しでひっかいて葉っぱの形にし、さらに先程とは違う緑のガラスで葉柄を描く

すごいですね。背景の葉っぱだけでもこんなに豊富な色数を用いてたくさんの工程をへているとは......。


葉を入れた地玉にパーツを載せ、なじませる

この状態の玉だけでも綺麗ですが、これにあらかじめ作っておいたトトロやマックロクロスケ、お花のパーツを入れてなじませていくわけですか。

城下   まずトトロを入れる場所を決めて、バランスをみてお花を入れます。
次にトトロ(大・中・小)とクロスケを入れていきます。

トトロやお花が入ると賑やかになりますね。

城下   小さなパーツは温めると丸まるんですよね。トトロとクロスケの目は丸まると小さく見えちゃうの。
だからまるで目を閉じたような黒い点になってしまわないよう、透明なガラスを目の上だけにのせて縮まないようにしてるんです。
トトロの目がいちばん大変......ちゃんと載せないと目が開かなくて、失敗してしまうこともあるんです。

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▲トトロを入れてルーペを使って慎重に目の位置を確認する

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▲小さな小さなトトロの目に細く尖らせた透明ガラスをちょん、と載せる

ガラスでまとって白目の部分が潰れないようにするわけですね。

城下   そうですね。ここまでつくってきて、この目で失敗してしまうということもあるので慎重に。キャラクターは目が命ですから。

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▲隙間にクロスケを入れていく

城下   クロスケもトトロと同じように透明ガラスを上に載せないと、周りの毛が開かなくて黒い点になってしまうんです。クロスケはひとつのとんぼ玉に6個入れているので、これもまた神経を使いますね。


木の実などをアクセントを表面に浮きだたせて、完成

城下   最後に、アクセントとして赤いガラスで木の実をつけていきます。
少し派手になるので、最初は秋の出荷分だけにつけてたんですが、木の実が入っていてもかわいいかなと思って。軽く熱してなじませたら完成です!

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▲赤いガラスで立体的な木の実をあしらう

すごいです。ちいさな一粒に技が凝縮されている......。
ガラスを重ねる工程は、トトロの森の奥深さを表現するのにぴったりなんですね。
とんぼ玉はパーツ作りからはじまり、何個もの繊細な関門を切りぬけて、やっと完成することがわかりました。

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▲完成



苦労の中でのこだわりとは

先程の工程を見ていると、一粒のとんぼ玉に時間と労力を惜しみなく注がれていることがわかりました。
これまでに多くの手工芸を手がけてきた城下さんですが、とんぼ玉ならではの難易点はどういったところでしょう?

城下  ガラスは熱くて手ではさわれません(苦笑)。
手直しがきかないので集中力が必要になりますね。
特にトトロの場合はものすごく疲れます。トトロのあの形をちゃんと出さなければいけないので......。
ひっぱる時に耳が縮んだり、ゆがんだり、失敗が続きずいぶんガラスを捨てることもありましたね。

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▲一見しただけでは気づかないが失敗作の数々

ガラスは再利用は無理ですからつらいものがありますね。

城下  そうなんです。最初のパーツづくりから全部やっていくと、下準備だけで一ヶ月くらいかかります。でもパーツづくりの段階で「あれ?」と感じていたのにそのまま使うと、最終的にやっぱりうまくいかないんです。

小さな妥協も許されないのですか。

城下  どんなにささやかでも、妥協すると必ずあとで自分に返ってくるんですよ。

ひとつをつくるのもかなり大変なのに、最近ではお花のパーツが以前よりも増えている気がしますが......。

城下  ついサービス精神で(笑)。
その時々で、ちょっと違うお花をつくって混ぜることもあります。
草花の配置が単調にならないように、ある部分の葉っぱには赤味をさして目を引くようにもしたり。

金箔も入っているので、華やかでしょう?
アクセサリーですから、自分がまず身につけたくなるような、〝わぁそれステキ♪〟というものをつくりたいんです。

どの角度からみても、キラキラとした表情があり、この色使いの贅沢さは城下さんならではですね。
しかも同じものは二つとないので、自分だけのトトロのとんぼ玉を探す楽しみもあります。

城下  そうだと嬉しいです。
でも、わたしのとんぼ玉を褒めていただけるのも、トトロのアニメーションの世界がしっかりとあるからです。
わたしはそれを少し違うかたちで表現しているだけ......ですから責任重大(笑)。
ジブリ美術館に来られるお客様をがっかりさせられません!

城下さんのつくりだすとんぼ玉の輝きを、ひとつひとつ手にとって眺めて見たくなりました。
今日は暑い日にもかかわらず熱い作業を見せていただきありがとうございました。


(2017年7月12日、山梨県・北杜市にて収録)




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今回ご紹介するのは、企画展示「食べるを描く。」に関連するオリジナル商品です。

オリジナル刺繍ブローチ 4 種 ...各2,000円(税別)

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ジブリ作品にでてくる食べ物をモチーフにした刺繍ブローチ。刺繍糸を重ね、少し厚みのある半立体の作品になっています。お手持ちのお洋服のワンポイントなどにおすすめです。


オリジナルミニタオル「マダムのケーキ」...650円(税別)


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映画『魔女の宅急便』にでてくる、チョコレートケーキそっくりのミニタオル。キキが蓋をあけてケーキを見たときのワンシーンが蘇ります。パッケージには赤いリボンがついているので、プレゼントにしても喜んでいただけそうです。


「食べるを描く。」ポストカードセット24 枚⼊...2,000円 / クリアファイル...300円(税別)


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「食べるを描く。」展示のポスターがクリアファイルになりました。そして全長編作品の食べるシーンが入ったポストカードセット。ジブリの食べるシーンを一挙にご覧いただける豪華な商品です。


マグネット 「目玉焼きトースト」「カルシファーとベーコンエッグ」...各1,000円(税別)


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ふっくら厚みがあって、つやつや。いまにも美味しそうな匂いが漂ってきそうな食玩マグネットができました。ジブリ作品の中でもお馴染みの食べ物が、いつでも近くでご覧いただけます。


※商品は品切れの場合がありますので予めご了承ください。

2017年49号

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どうしてかわかる?

文...ジョージ・シャノン 絵...ピーター・シス 訳...福本友美子 晶文社 1,500円(税抜)
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 「なぜ?」「なに?」と様々なものに興味をひかれる子どもたちは、同じように「なぞなぞ」が大好きです。そんな彼らの要望に応えるため、図書室でも「なぞなぞ」や謎解きが出てくるお話を紹介しています。世の中に数多あるであろう"謎"についての本。その中でも図書室で度々登場するのが、この『どうしてかわかる?』です。この本には、アメリカ、アフリカやインドといった世界各地から、"謎かけ"の含まれた14編の昔話が集められています。どれもなかなか難しいので、お話をよく読み、さらに頭をひねって考えなければいけません。
試しにお話をひとつ紹介しましょう。

 「2人のお父さんと、2人の息子が魚つりに出かけました。1人1ぴきずつ魚がつれたので、みんな上機嫌。でも釣れた魚の数は、ぜんぶで3びきでした。」

 みなさんはこの謎を解くことができたでしょうか? お話を簡単に紹介してしまったので、しっかり読みたい方はぜひ本を手に取ってみてください。「答え合わせがしたい!」という方もお話の次のページをめくってみましょう。"たねあかし"がきちんとのっています。もっと難しい問題を!という方は残りの13の謎に挑戦するのも楽しいでしょう。お話もいろいろ、謎もいろいろ、すてきな挿絵を見ながら、"謎とき"に挑戦してみるのはいかがでしょう。

火のくつと風のサンダル

作...ウルズラ=ウェルフェル 訳...関楠生 童話館出版 1400円
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 くつ屋の子チムは、クラス1番のでぶで学校1番のちびでした。家はお金持ち ではありませんが、いつもおもしろい話をしてくれるお父さんと、優しいお母さんが待っています。ある日お父さんは、7 歳になったチムに赤いくつとリュックサックを贈り、夏休みに長い旅に出かけようと提案しました。大喜びしたチムは〝火のくつ〞という新しい名前をもらい、お父さんは〝風のサンダル〞という名前で一緒に旅に出ます。

 チムは、〝明日はどんなことが起きるのだろう〞と楽しみながら旅を続けますが、新しい世界に触れてわくわくするのは彼だけではありません。星空の下の麦畑や森の中の古いお城などで、読者も一緒に小さな冒険を楽しむことができます。もちろん良いことばかりではありませんが、得意のお話で道を示してくれるお父さんが一緒だから安心です。

 ある村に立ち寄ったとき、チムは「でぶ」とからかわれてしまいます。いつもは怒ったり悲しくなったりしていましたが、今回のチムは違いました。いろんなものを見て聞いて体験してきたことで、違った受け止め方のできる人間になれたのです。そして旅の終わり、久しぶりにお母さんと再会する場面では心があたたかくなります。子どものもつ素直さやけなげさ、大きくなっていく姿が心に残ります。たくさんの愛に溢れている旅の物語、ぜひ多くの人に読んでもらいたいと思います。

季刊トライホークス 49号(内容紹介)

「季刊トライホークス」は、図書閲覧室トライホークスで 3ヶ月ごとに発行しているフリーペーパーです。ここでは、図書室の本を紹介するとともに、様々な分野で活躍している方に本の紹介をしていただき、図書室の枠をこえ「本」と出会うきっかけ作りをしていきたいと考えています。

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夢中になって読んだ本
作品によってお話も人物も異なる世界を描き続け、幅広いフィールド活躍しているはたこうしろうさん。ご自身の幼少体験とともにおすすめの本を紹介していただきましたが、野山を駆け回っていた少年時代だったようです。
連載「ロバート・ウェストール(第2回)」
ウェストールは「戦争」を題材にした作品をいくつも執筆しました。彼の出発点となった『"機関銃要塞"の少年たち』を中心に、戦争小説の中で何を描いてきたかを取り上げています。
山猫だより「三鷹阿波踊り」
美術館の裏側(?)、日常について書いています。三鷹阿波踊りは今年で50周年。夏になると本番に向けて、美術館スタッフも夜な夜な練習をしています。

2017年9月 いつの間にか蝉がいない

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9.20(水)

・カフェ店内では、活けてある生花をだいたい週に一度入れ替え、状態の良いものはそのまま中庭に活けたり、ドライフラワーにしています。先日入れ替えた生花は、大きなオクラ!珍しいのでちょっと細工をして暖炉の横に飾りました。それを見たキッチンの田中さんに「それヘチマですか!?」と驚いていました。このオクラの存在にどれだけのお客様が気付くのかちょっと楽しみです。
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9.21(木)

・屋上の池に落ちてしまったアリを助けてあげようとしている女の子。葉っぱですくってみようとしますが、なかなかうまくいきません。横で様子を見ていたおばあさんも手伝ってくれて、なんとか救出するのに成功しました。「今度お姉ちゃんが困った時に、きっとアリさんが助けてくれるわよ」というおばあさんの言葉に驚いた表情の女の子でしたが、「もう池に落ちちゃダメだよ〜」と笑顔でアリを見送っていました。


9.22(金)

・今日からトライホークスにて、宮崎敬介さんの木口木版画を販売を開始しました。壁面に額装してかけてありますので、ぜひ近くでご覧ください。
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9.23(土)

・カフェでお食事をした欧米系のお客様が、日本語を勉強中ですと話してくれました。お帰りの際に、原さんが「ありがとうございました」と声をかけると、「どういたしまして」と返してくださいました。丁寧なお返しに、思わず笑顔になってしまう原さんでした。


9.24(日)

・3歳くらいの女の子を連れたご家族が出口の方へ向かって歩いていきました。その途中、突然地面に寝そべった女の子。まだ帰りたくなかったようで、その場で寝たふりを始めました。その様子にご両親も大笑い。「また来ようね」とお母さんが声を掛けると、最後はお父さんに抱っこされて笑顔で帰っていきました。


9.25(月)

・トライホークスで3、4歳くらいの男の子がスタッフの元へ駆け寄って来て、「これ、僕大好きなんだ!だからお姉さんにも読んであげるね」と一冊の絵本を持って来てくれました。全て文章を覚えているようで、スラスラと読んでくれた男の子。この絵本が本当に大好き!という思いが伝わってきて、とても暖かい気持ちになり心からのありがとうを伝えると「どういたしまして!」とVサイン。その後も好きな本の話で盛り上がりました。


9.26(火)

・旅行土産に館長へせんべいを渡した内藤さん。館長は机さんにもおすそわけして、食べよう食べようとさっそくかじりつきました。「あ、唐辛子なので辛いかも・・・」と言いかけるも、時すでに遅し。館長は「おいし・・・ちょっと水分がほしい・・・。飲み物を買ってくる」と慌てて席を立ち、机さんはむせだしてしまいました。お土産の選択を反省すると共に、次はお茶と一緒に渡そう、と心にメモするのでした。


9月

9.1(金)

・公式サイトをリニューアルしました。無事作業が終了かと思いきや、ちゃんと稼動しているか不安なようで、担当のスタッフはPCとにらめっこ中です。


9.2(土)

・お母さんと二人で来館しショップに寄った6歳くらいの女の子。中トトロを抱えていたので、「つれて帰ってくれるの?ありがとう!」と声をかけると、「うん、今度来る時は一緒に来るね。それまでは私の家にお泊りね!」と笑顔で答え、嬉しそうに一緒に帰っていきました。


9.3(日)

・旅のしおりを持って来館されたご家族。どうやらご両親がしおりを作ってくれたらしく、載っている場所や展示物を探したりと、楽しそうに過ごされている様子。家族の夏の思い出のひとつになれたらいいなぁと思いながら、いつか自分もやってみたいなと思うのでした。


9.4(月)

・とある取材で、企画展示やショップ、カフェでの撮影がありました。カフェのカウンター内に立つ男性スタッフが「カフェイケメンズ」と呼ばれ、取材に来た方々に好評だった!と、担当の机さんが嬉しそうにしています。
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9.5(火)

・緑に囲まれているジブリ美術館は、よく外から虫が入ってきます。大きくて飛び回る虫の場合は、虫取り網を持った"虫取り王子"たちが颯爽とやって来ては、涼しい顔で捕獲し外に逃がしてくれます。ショップにも虫が入って来たので"虫取り王子"を呼んだところ、新人の永野くんがやって来て、颯爽とは言い難い網さばきでなんとか任務完了。あとから聞いたところによると、実は虫が苦手なのだそう。怖い気持ちを奮い立たせて立ち向かってくれた勇気にエールを送りながらも、これから腕を磨いて欲しいと思った夏の出来事でした。


9.6(水)

・2F事務所の外に居心地良さそうに定住しているかまきりがいます。かなり大きめ。工藤直子さんの「のはらうた」に書かれたかまきりは夏男。季節は秋に向かっていますが、ここにいるかまきりもイケています。どうだいっ、格好良く撮ってくれと言わんばかりです。
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9.7(木)

・少女の部屋にあるデッサン人形。いつもは歩くポーズや走るポーズをしているのですが、あるときは阿波踊りの女踊りのポーズをしていたりと、季節感が出ているときもあります。そんな彼女ですが、ふと気づくと、あの有名なダンスを彷彿とさせるポーズに。「朝お掃除したときは、こうなってなかった・・・」「手の角度がいいね」と注目の的。いろいろなポーズでスタッフを和ませてくれるデッサン人形です。
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9.8(金)

・出口に置いてある蚊取り豚が気になるのか、2歳くらいの男の子が近くまで来たり離れたりを繰り返していました。そして聞こえてきたのは、「あっちっちね」というつぶやき。どうやら豚から煙が出ているのを心配してくれていたようです。


9.9(土)

・トライホークスで本を見ていた3歳の女の子。その後、少ししてから戻ってきて、「やっぱりこれがいい!」とお話しています。お母様に聞いてみると、本がいいと最初に言っていたものの、ショップで気が変わるかと思っていたら、やはり本がいいと戻ってきてくださったとのこと。「本にあまり興味がなかったので、ここで持つきっかけができてよかったです」と笑顔でお話してくださいました。


9.10(日)

・今年も、八幡神社の大祭のお神輿に参加しました。担ぎ手は、天内さん、西川さん、鵜木さん、矢澤さん、中村くんの5名。威勢のいい掛け声と共に、お客様に見守られながら美術館に到着。
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恒例の記念写真を撮り、滝口さんの木入れで、次の目的地へと向かって行きました。
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・新居浜で行われていた「近藤勝也展」の撤収のため、学芸の内野さんが出張中。撤収作業は順調に進んでいるようです。
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9.11(月)

・スタッフがカフェデッキで見つけた栗が、トライホークスの窓辺に仲間入りしました。雨の多かった今年の夏ですが、もう秋がそこまで近づいて来ているようです。
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9.12(火)

・おそらく先日のカマキリなのですが、「目の色が違う!」と小池さんはびっくり。小川くんは黒いものを食べ過ぎたんじゃないかと言っていますが、調べてみると、夜になって偽瞳孔というものが広がった状態のよう。虫の不思議さを改めて実感した小池さんでした。
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9.13(水)

・スタジオに用事があり、三鷹駅に向かって歩いていると真っ赤な空が。ずっと見ていたいと思いつつ、約束の時間に遅れそうになりあわてて電車に乗るのでした。
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9.14(木)

・日差しが強い日はあるものの、日陰には秋の気配。昨日からカフェのテイクアウトでお出ししているソフトクリームの味が、「はちみつレモン」から「ぶどう」に変わりました。秋の訪れを、ぜひ味わってみてください。


9.15(金)

・開館を待っている4歳の女の子とお話をしていた清水さん。女の子はネコバスが大好きで妹さんと乗ることを楽しみにしているそうです。昨年来てくれた時には妹さんがまだ小さくて一人で乗ったらしく、今回一緒に乗れることをとても心待ちにしていたようです。大きくなった妹の手を引いてネコバスへと向かう姿に、自然と笑顔になる清水さんでした。


9.16(土)

・カフェの丸山くんが、差し入れにいただいた激辛せんべいに挑戦。みんなに「どう?辛い?」と聞かれ、なぜか笑顔です。はたして・・・。
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9.17(日)

・産休に入る古城さんから岡山産ぶどう10種類の差し入れがありました。中でも瀬戸ジャイアンツは、桃太郎にゆかりのある岡山県で生まれ、粒の形が桃に似ていることから「桃太郎ぶどう」と呼ばれているようです。自然の甘さに秋を感じつつ、幸せのお裾分けをいただいたスタッフ一同でした。
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9.18(月)

・台風が過ぎ去り、雲一つない晴天になった今日、どんぐりを沢山持ってやってきた男の子がいました。美術館に向かう途中に拾いながらきたそうで、台風の後の公園にはコナラやクヌギなど沢山のどんぐりが落ちていて、袋がいっぱいになるくらいに集めたようです。みなさんも美術館に来る途中に、ぜひ秋の訪れを探してみてください。


9.19(火)

・1階のテラスにあるみかんの木。陽あたりもいいので、すくすくと育ち、今年も実をつけました。日に日に大きくなる実に、いつ食べごろかと期待を膨らませる食いしん坊なスタッフたちです。
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2017年10月 秋風

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10.4(水)

・先月からトライホークスにて販売を開始した木口木版画をじっくりと見ていたお父さんが、「また販売始めたんですね」とスタッフに声をかけてくださいました。以前トライホークスで販売していた木口木版画を買おう買おうと思っているうちに、販売終了してしまっていたとか。その後、どれにしようか真剣な眼差しで見つめながらじっくりと選んで購入されました。「パパ何買ったの?見せて!触らせて!」というお子さんに「素敵なものを買ったんだよ。お父さんがまずは楽しみたいから、まだ触らせない!」と笑っていました。


10.5(木)

・4月に入社し、早くも半年が経った荒井さんが1階の研修の締めくくりとして、スタッフをお客様に見たてた展示室の説明会を行いました。この日のために、たくさん勉強と練習をしてきた荒井さん。研修担当の山川さんは、一生懸命で真摯に展示物と向き合い説明する荒井さんの姿に、これからもこの経験を活かして頑張って欲しいと思うのでした。


10.6(金)

・夕方、小学生の男の子が出口小屋のライトを見上げていました。するとポケットから家族みんなのフィルム切符を取り出し、ライトの光にかざして絵柄を確認していました。何の映画だったかを尋ねてみると、男の子はすべての切符を見事に言い当て、「難しいのもあったのにすごいね!」とスタッフが言うと、「いっぱい映画見てるからね!」と嬉しそうに答えてくれました。


10.7(土)

・ネコバスルームに来た2歳くらいの男の子は、マックロクロスケが少し怖い様子。それでも、ちょっとずつ近づいて恐る恐る持ち上げ、「こんにちは」と挨拶する姿に心和むスタッフなのでした。


10.8(日)

・屋上で咲いているアザミの花にはさまざまな虫がやってきます。蝶や蛾のオオスカシバが蜜を吸いに、そしてその虫を食べようとカマキリが待ち構えていたり。子どもたちと虫観察ができて、小野さんは今日はどんな虫が来るかなと楽しみにしているそうです。


10.9(月)

・いいお天気の今日、カフェ前のデッキでは、小さな子どもたちが元気いっぱいの様子。目が合うと、食べていたソフトクリームを見せてくれたり、話しかけてくれたり、風に吹かれて気持ち良さそうに過ごしていました。


10.10(火)

・厚樹さんの机の上にメモが一枚。近づいて見て見ると・・・。
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<クヌギ画伯の最新作>


10月

10.1(日)

・市民デー2日目。デッキでは「目玉焼トースト」「ソーセージトースト」をご用意。こちらも、パンやソーセージがこんがりと焼けるいい匂い。「食べる」を、空間でも実際にも味わっていただけたようで、嬉しくなるスタッフたちでした。
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<双子の卵!>


10.2(月)

・屋上にサルビアレウカンサの花が咲き始め、秋の空の下に彩りを添えてくれています。これから紅葉も始まり、色をゆっくりと楽しめる季節がやってきました。


10.3(火)

・相変わらず2F事務所の外に定住しているかまきりですが、「かまたろう」と名づけ、小池さんが愛でていました。ところがこの日事件が。もう1匹現われ、仲良く寄り添っている「かまたろう」。どうやらメスだったようです。なんとなく傷心気分の小池さんなのでした。

メンテナンス休館のお知らせ

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2017年11月7日(火)~17日(金)まで、ジブリ美術館はメンテナンス休館となります。

次の開館日は2017年11月18日(土)です。

どうぞよろしくお願いいたします。

2017年11月 秋の日差しのもと

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11.1(水)

・カフェに入店するための列に並んでくださっていたカリフォルニアからお越しの男性。デッキの階段の裏を見てほほえんでいます。その視線の先には陽の光を浴びながら熟睡する猫が。「なんだかジブリ美術館にぴったりですね」とおっしゃっていただき、ほっこりするスタッフでした。


11.2(木)

・白い服を着た5歳くらいの女の子。ステンドグラスを通して入ってくる鮮やかな光が、白い布の上で形を変えるのが面白いよう。それを見ていたほかの女の子も一緒になって、くるくる回ったり、翻ってみたり、ファッションショーみたいに楽しんでいました。


11.3(金)

・季刊トライホークスの原稿をチェックしていた机さんと館長。
ある本の中の項目について石光さんが紹介していたのですが、その項目名は「働く・働く」。机さんも館長も、なんか変だなぁと思い石光さんに確認するも、「いえ、これで間違いないです」とのこと。念のため、机さんが元の本にあたってみたところ、「働く・動く」が正解。働かなくてはという深層心理のせいなのでしょうか...。


11.4(土)

・カフェデッキに大きなカマキリが出現し、子どもたちは興味津々で、しゃがんで顔を近づけて観察。カマキリが移動を始めると、子どもたちはそのあとを追尾。次第に1人増え、2人増え、カマキリを先頭に行進が繰り広げられていました。


11.5(日)

・地下1階常設展示室で、トトロぴょんぴょんを見ていた女性。元気に縄跳びをするメイを見て、どこか寂しそうに20代くらいの自分の娘さんに話しかけます。「あなたもこの前までメイちゃんみたいだったのに、もうすぐお嫁さんなんだね」それを聞いた娘さんはお母さんの近くに行って、「小さい時は、こうだったね」「すぐ泣いちゃったりね」と話しながら、しばらく2人でトトロぴょんぴょんを眺めていました。


11.6(月)

・本日、メンテナンス前の最終営業日。晴天の空の下、屋上から館長が鳴らす開館の鐘の音が鳴り響きました。


11.7(火)

・社員旅行でガラリとした美術館では、メンテナンス作業が始まっています。
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11月28日付で、美術館館長に安西香月が就任いたしました。

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11月28日付で、公益財団法人徳間記念アニメーション文化財団常務理事ならびに三鷹の森ジブリ美術館館長に、安西香月が就任いたしました。
なお、前任の中島清文は、株式会社スタジオジブリ代表取締役社長として、引き続き美術館事業を担当してまいります。
  
 
~安西香月ごあいさつ~
謹啓 時下いよいよご盛栄の段お慶び申し上げます
平素は格別のご高配を賜り 有難く厚く御礼申し上げます
                                  さて 私こと
このたび中島清文の後任として 公益財団法人徳間記念アニメーション文化財団
常務理事 ならびに 三鷹の森ジブリ美術館館長に 就任いたしました
微力ではございますが 皆様のご期待に添い得ますよう 全力を尽くす所存でございますので 
なにとぞよろしく ご指導ご鞭撻を賜りますよう ひとえにお願い申し上げます
まずは略儀ながら 書中をもちまして 就任のご挨拶を申し上げます
                                        謹白
二〇一七年十一月吉日
                公益財団法人徳間記念アニメーション文化財団
                                 常務理事
                           三鷹の森ジブリ美術館
                                   館長 安西 香月
 
 (プロフィール)
安西香月(あんざい かづき)
1965年2月、石川県生まれ。金沢美術工芸大学産業デザイン学科卒業後、株式会社日立製作所デザイン研究所に入社。工業デザイナーとして従事する。1993年安西デザインスタジオを設立。1998年にスタジオジブリに入社し、三鷹の森ジブリ美術館の開館準備に携わる。以降、ジブリ美術館の企画・展示のディレクションを担当。2004年愛知県愛・地球博記念公園「サツキとメイの家」ほか、スタジオジブリ関連施設の演示デザインを多く手がけている。2017年11月、三鷹の森ジブリ美術館館長に就任。


なお、同日付のスタジオジブリの役員の異動については、こちらをご覧下さい。

ジブリ美術館のクリスマス

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開催中の企画展示「食べるを描く。」で取り上げている、映画を豊かに見せてくれる食事シーン。日常生活においても、いつもの食卓を一層引き立ててくれるのは、その場の雰囲気やシチュエーションであることに気付かされます。171129_03.jpg

クリスマスの食卓の思い出もきっとそうではないでしょうか。キラキラと輝く光に照らされた食卓に並ぶ数々のごちそう。行き交うお皿。気心知れた仲間でにぎやかに語らい、笑い、そして味わう。食を共にすることで分かち合う喜びを感じる大切な人との時間に、自然と気持ちが満たされることでしょう。

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クリスマスという感謝の気持ちを重ねる特別な期間、彩り鮮やかでおいしそうな食卓を共に囲むように、お客さまをお迎えします。大切な人たちがおいしそうに食べてくれる様子を思いながら、食事の準備をする人の姿、食卓に彩りを添えるため鮮やかなリンゴや伝統的なお菓子を盛りつけたお皿など、食後のひと時のだんらんも感じられるような空間をしつらえました。

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地下1階のテラスには、毎年恒例のクリスマスツリーも登場し、夕刻のイルミネーションも素敵です。
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クリスマスの装飾は12月26日(火)まで。
クリスマスが待ち遠しくなるジブリ美術館を、どうぞお楽しみください。

企画展示「食べるを描く。」は、好評につき会期延長いたします。

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5月27日から始まった企画展示「食べるを描く。」は大変評判が良く、多くのみなさんから「是非見たい」「もう一度見たい」との声が多く寄せられています。
従来の企画展示は1年間で新しい内容に切り替えていましたが、今回の展示をできるだけ多くのお客様に見ていただくため、改めて会期を見直し、このたび、会期を半年間延長することを決定いたしました。

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© Studio Ghibli © Museo d'Arte Ghibli

会期は11月のメンテナンス休館前までなりますので、来年の夏休みも引き続き、ぜひとも足をお運びください。


企画展示「食べるを描く。」についてはこちら

小さな小さな美術館のかけら――オリジナル飾りボタン

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12月、大切な家族や友人とあたたかな食卓を囲みたくなる季節です。
今年の美術館のクリスマス装飾は、開催中の企画展示「食べるを描く。」にちなんで、
特別な日の彩り豊かな食卓を イメージしました。
かわいいペーパーナプキンをのぞかせクッキーを添えたり‥‥装飾の準備はまるでちょっとしたパーティーに誰かをお招きするときのようにわくわくします。
食卓の笑い声がきこえてきそうな賑やかな雰囲気にぬいぐるみたちもいつもより嬉しそう。
ぜひこの機会にショップマンマユートへお越し下さい。




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小さな小さな美術館のかけら―――【オリジナル飾りボタン】

私たちが毎日身につける洋服。「きれいなボタンだな」と感じて洋服を選ぶことはないでしょうか。
Tシャツのように頭からかぶるものもありますが、すてきな飾りがついた洋服だと少し胸をはりたい、華やいだ気持ちにもなります。
そんな特別な《飾りボタン》があったら、皆さんならどのように使いますか?
今回は、さりげなく身につける、実用と装飾を兼ね備えたオリジナルの《飾りボタン》をご紹介します。

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▲飾りボタン3種 「トトロオープニング」 緑・青 各1,800円(税別)/中:「ムゼオ」3,200円(税別)/右:「魔女の宅急便」2,400円(税別) 




出会いから生まれるまで

マンマユートオリジナルの飾りボタン。これらのすべては、原型づくりから成形、仕上げ、台紙に並べるまでを、たった一人の手で行なっています。作者は矢代真由美さん。
全部をひとりで行うからには並々ならぬこだわりの持ち主かと思いきや、矢代さんのボタンづくりにはちょっと独特な思いがあるようです。

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▲矢代真由美さん/美術大学在学中に、アンディ・ウォーホルに影響をうけボタンを並べたモチーフで作品を創作する。卒業後にその技法をもとにオリジナルのアクセサリー制作・販売を始め好評を博している。


美術館スタッフがたまたまあるイベントで作品を拝見して、ご連絡させていただいたのが始まりでしたね。

矢代  確か最初はメールをいただいたのですが、なんで私を知ってるのかなぁ? と不思議でした。「ジブリ美術館ですが」というご連絡をいただいたときは、怪しい......、と思ったりもしてました。(笑)

驚かせてしまいました(笑)。矢代さんの作品はスタッフの一人が以前から知っていて、得意げに使用していたのです。

矢代  そうだったんですね。ありがとうございます。

ボタンなのに凝った作りでモチーフもかわいいですし、やさしい感じがして印象に残っていたんです。小さいのに特別の存在感があると思いました。


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▲矢代さんの作品群。ヒヤシンスのボタンの根は糸でできている(※美術館でのお取り扱いはありません)

美術館の商品をお願いするにあたっては、まず自由に美術館をご覧いただきモチーフ探しからお願いしました。

矢代  最初にまずあちこち拝見して、試作を数点作らせていただきました。

遊び心のあるアイデアがたくさん出てきて驚きました。
展示室の筆のボタンや、美術館の窓のボタンも作ってくださいましたね。

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▲試作品の数々

矢代  窓型のものは縫い付けてモチーフが完成するパターンのボタンなんですが、その時期はそのシリーズに凝っていて。やってみたかったんです!

いろいろ検討した結果、『となりのトトロ』、『魔女の宅急便』、そして美術館をモチーフとした『ムゼオ・ダルテ・ジブリ』の三種類でお願いすることになりました。

矢代  モチーフを考えたり試作をつくる段階は、映画を見直したりして楽しかったですね。
『魔女の宅急便』のキキがしているリボンなんかは、ただのリボンのボタンではなくて、どうしたら"キキのリボン"にみえるのか、いろいろ思いをめぐらせました。
大きくてひと目で印象に残るようなリボン。
そういうところに気を使いながら試行錯誤をしました。

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▲リボンボタン制作中

なるほど。モチーフを絞り込み、いよいよ作りはじめてからはいかがでしたか?

矢代  最初の試算では、気楽に考えていたんです。
例えばトトロのボタンだと、1セットが6個入りなので、100セット納品なら600個作るスケジュールは...と、考えていたんですよ。
でもこれだと、たった100人分。台紙の色違いで2種類あるので、1200個つくるにしても、美術館にいらしてるお客様の人数から考えると、すごく少ない...。実際に販売が始まると大変でした。

あっという間に完売してしまうことが続いてしまいました。

矢代  これまでも自分がつくった作品をお店に卸してはいましたが、定期的に大量の再注文をうけてつくることがほとんどなかったので、全然ちがうものだなあ、とあらためて思いました。

いちばん予想外だったのはどのような点ですか?

矢代  工程上、型があれば量産ができそうな気がしますが、ひとつひとつ、最後は全部を同じように美しく仕上げたいので......。
表面を滑らかに削り形をすべて整える、これが特に大変で。
嫌いな作業ではないのですべて自分でやりたいのですが、手が足りない......と思ってます(苦笑)。



飾りボタンができるまで

矢代さんが手がける飾りボタンは、原型をシリコンゴムで型取りし、エポキシ樹脂を流して硬化させた後に、裏面を平らに整形し金具をつけて完成します。
とくに仕上げの工程が思わぬ試練だったとのことですが、矢代さんにはちょっと独特な思いがあるようです。

手作りボタンはどのように作られるのか、その工程をのぞかせてもらいました。


原型から色付け~実用品のこだわり

まずは粘土で原型を作って型をとりはじめるわけですね。
ジジのボタンを例にするとどこからはじめるのですか?

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矢代  見えにくいですが、ジジの場合は鼻の茶色と白目のところだけ先に入れてかわかします。
次に耳の紫、最後に黒を流すんです。
黒目は型からはずしたあとに上からちょんと載せます。
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色を塗るのではなく1色ずつ樹脂を固めて色を表現しているんですね。
どの色も中間色が目に優しいというか、綺麗ですね。


美術館オリジナルモチーフの「ムゼオ」には、とてもたくさんの色数があるような気がしますが、
例えば"おでん"のボタンだけだと何色使っているのですか?

矢代  5色ですね。一色ずつちょんちょんちょんと......。
"おでん"は作っていても「わーっ!」てなります(苦笑)。
流すときがいちばん頭を使いますね。たこの吸盤の色を入れて、次ここ......って。
硬化の時間も考えますから。
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たこの吸盤をひとつひとつですか......!

矢代  吸盤とこんにゃくを固めて、棒が2番め、3番目にたこの赤を入れて、たこの切り口断面のピンクは取り出してから流します。
"おでん"は実は中に補強のワイヤーも仕込んでいるから、このボタン一つつくるのだけでも結構大変なんです。

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▲"おでん"や"おにぎりとドア"など細い部分には補強ワイヤーが入っている

洗濯しても大丈夫なようにワイヤーを入れたり色が落ちないようにしたり、いろいろな工夫がなされているんですね。

矢代  そうですね、ボタンは実用で使うものですし。
......それを何千個って作るのは大変ですけど(笑)。

樹脂に顔料を混ぜる濃度は決まっているのですか?

矢代  決まっています。ある割合以上に入れてしまうと固まらなくなりますので。
色を出すのは難しかったですね。できるだけ映画の色に近づけようとして、魔女宅のリボンの赤には少し青を入れていますが、トンボのTシャツはオレンジっぽい赤なので黄色を足したりとか、同じ赤でもいろいろ作りました。

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ヤスリがけのひそかな楽しみ

ゴム型に色わけした樹脂を流し終わり約一日かけて硬化させ、いよいよ仕上げですが、これが一番大変だとおっしゃっていた工程ですね。

矢代  そうです。ちょうど硬化して削るのを待っているトトロのボタンでやってみます。

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矢代  裏面を平らにしてからバリをとっていきます。
机の上の紙ヤスリを使って、平らにしますが、
指が削れちゃうので普段は保護テープを貼って作業しています(笑)。

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矢代  棒ヤスリは平らなもの、三角、丸、半丸の四種類を、ボタンの形によって使い分けます。

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ひたすら続けるわけですね......一日ずっと朝から晩まで?

矢代  朝から晩まで......9時半くらいから19時くらいまでですね。
やすりがけのときは特に。それだけで二日とか五日とか。
さすがに飽きちゃって眠くなるから、違う形のをやってみたりとかしています。

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▲磨かれるのを待つトトロたち

誰かにお願いしたい、とは思わないですか?

矢代  ふつうはつらい作業だと思うんですよね。
私はこの工程を含めて、楽しいからできちゃうんですけど。

えっ、楽しいのですか?

矢代  ついつい量が多くて大変とか言っちゃうんですが、作業自体は楽しいというか面白いと感じているんです。
きれいな形になっていく嬉しさや楽しさが私にはあるんだと思います(笑)




金属のパーツをつけ台紙に並べて完成

ヤスリがけが済んだ成形品の裏側に金属の足(リング)をつけると、ようやくボタンになります。

いよいよ最後の工程ですね。
裏側につけるリングはどのようにしてつけているのですか?

矢代  リングも自分で制作しています。
先端が丸いペンチで、真ちゅうのワイヤーを丸めてつくっているんです。
このリングをボタンの裏にドリルで穴をあけてボタンと同じ樹脂で接着をします。

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矢代  この部分がつくと一気に"ボタン"って感じになります(笑)。
こういうふうに樹脂のボタンに金属のリングをつけろうと思えたのは、大学で金属を専攻していたからです。
樹脂が面白くてやっている感覚ではいるんですけど。異素材の組み合わせでできたものが、用途不明でコロン、と置いてあったりすぐのがカワイイな、と思ってるだけなので、本当はボタンでなくてもいいんです。
ボタンばかり作っているのでボタン作家といわれたりするんですけど...困惑してもいて(苦笑)。

ボタンじゃなくてもいい、とは!?

矢代  樹脂のかんじと金属の組み合わせがいいなって。マニアックなのかな。この組み合わせたまらん、みたいな(笑)。

素材フリークなのですね?

矢代  そうかな。液体が個体になっていくのが楽しくて。でもこれは、こわいですよ。
締め切りがあるような展示だと、透明な液体だけあって、何もない。
なので個体になっていく喜びがあるんです。(笑)

なるほど。好きこそものの上手なれ、ですね。リングも自家製ですし。これでいよいよ完成ですか?

矢代  最後に透明なラッカーで仕上げをします。
ラッカーも樹脂なので、表面が均一になります。
そのあとに最終段階で台紙ですね。この紙も自分でデザインしてカットしたものを使っています。

完成したボタンを一点ずつ台紙につけていく作業も矢代さんがなさっていますが、これもまた大変そうですね。

矢代  台紙への取り付けの時はすでに終わった気持ちになっているので、大変だとは感じませんね。
ヤスリがけが終わったらもう「終わったー♪」みたいな気持ちなんです。
もともとの、ボタンがシートについている状態も好きなので......(笑)。

紙、という異素材との組み合わせが、またたまらないカワイさを感じているのですね(笑)


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▲完成



おわりに

仕上がったボタンが置いてあると、このコロンとして柔らかな感じがいいですね。

矢代  自分のなかでかわいいと思えるサイズ感があるんです。
コロンと転がしておいてもかわいいという状態、存在感にしたいなと。
そこにあってコロっとかわいいもの。用途不明のなんとなく可愛いものをよく買ってしまったりするんですけど、それでいいっていうか。
小さなものがそこにある可愛さみたいなものが好きなんだと思います。

そんなカワイイものが大好きなスタッフたちが、矢代さんのボタンを使いいろいろなものを作っています。

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▲手作りのアクセサリー

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▲植木鉢や贈り物のアクセントに


たくさん発注して多くの人にいろいろな使い方をされるのは、嫌じゃないですよね?

矢代  もちろん!嬉しいです。たまに見かけて、「ふふっ」と思ってます(笑)。


ジブリ美術館の注文に鍛えられて、自分のボタンづくりがめちゃくちゃ速くなった、と笑う矢代さん。
こちらから見ると気の遠くなるような地道な工程も、彼女にとっては楽しくおもしろい作業だと聞き、とても暖かい気持ちになりました。
矢代さんの「かわいくなれ......」という思いが吹き込められた小さなボタン。
みなさんもこの小さな小さな宝物をショップの中で見つけて、自分ならではの「かわいい」の組み合わせに、ぜひ仕上げてみてください。

気持ちがあたたかくなる作業を見せていただきありがとうございました。


(2017年10月27日、埼玉県・さいたま市にて収録)




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今回ご紹介するのは、自分の手で仕上げる、たのしいオリジナル商品をご紹介します。

ぬいぐるみキット 「大トトロ」 「中トトロ」 「オオトリさま」  ...各680円(税別)

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針の準備はいいでしょうか?あとは少しのやる気と遊び心で丸々としたかわいい大トトロ、中トトロとオオトリサマのぬいぐるみが作れるキットです。ひとつひとつのパーツを縫い合わせていく工程も楽しいのですが、最後に綿をつめておなかを膨らませると、魂が宿るかのようにかわいくなるところが魅力のひとつ。付属のストラップをつければ持ち運びもできます。お手製のぬいぐるみづくり、挑戦してみてはいかがでしょうか。


指人形おりがみセット 「千と千尋の神隠し」「めいとこねこバス」「ジブリ美術館」 ...各500円(税別)


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説明を見ながら折り紙の要領で折っていくと、立体的なキャラクターが出来上がる指人形折り紙シリーズ。『千と千尋の神隠し』と美術館オリジナル短編映画『めいとこねこバス』、そして『美術館オリジナルモチーフ』の全3種類。完成して並べてみると達成感でずっと眺めていたくなります。裏面はレターカードになっているので、少し手の込んだかわいいメッセージカードとしてもお使いいただけます。


おてがみメモ 「ニセ受付」「バス」 ...各350円(税別)


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お友だちとの小さなお手紙交換。些細なメッセージでも折り畳まれたメモを開くときは少しどきどきするものです。そんなやりとりがもっと楽しくなる、かわいらしい2種類のおてがみメモが登場しました。メッセージを書いて線の通りに折れば簡単に「トトロのニセ受付」「美術館のバス」の形が完成です。送る方ももらう方も笑顔になれそうなおてがみメモ、ぜひ様々なシーンでお役立てください。。


※商品は品切れの場合がありますので予めご了承ください。

アニメーションに関する調査研究活動をサポートします

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三鷹の森ジブリ美術館を運営する徳間記念アニメーション文化財団では、アニメーション文化の調査研究に取り組む若手研究者の育成と、その研究活動に対して助成することを目的に、「アニメーション文化調査研究活動助成制度」を実施しています。
今年度も、平成30年1月31日を申込期限として、助成対象研究者を募集します。

詳しくは、下記のPDFファイルをご覧ください。
平成29年度アニメーション文化調査研究活動助成制度について.pdf(131KB)
平成29年度助成申請書.pdf(109KB)


また、今回の募集にあたり、ご応募予定の方に向けて説明会を実施します。<申請書の書き方>をはじめ、<調査研究テーマの選び方>、<調査研究計画の立て方>などを事務局員から説明します。
申請上のアドバイスを受けることもできますので、ぜひ奮ってご参加ください。

日時: 平成30年1月13日(土) 11:00~12:00
場所: 三鷹ネットワーク大学 教室C(三鷹駅 徒歩1分)
    三鷹市下連雀3-24-3 三鷹駅前共同ビル3階
    ※説明会に参加できなくても助成制度にご応募は可能です。


なお、参考のために、過去に助成をした研究成果の中から、下記2つの成果を掲載します。

平成16年度研究成果「1928-45年におけるアニメーションの言説調査および分析」佐野明子.pdf(2023KB)

平成18年度研究成果「漫画のアニメーション化における一考察」桑原圭裕.pdf(669KB)

大学や研究機関等、あるいはフリーで研究活動をされている方のご応募をお待ちしています。

本件へのご質問は、
PDFファイル「平成29年度アニメーション文化調査研究活動助成制度について」に記載のお問い合わせ先にお願いします。

三鷹ネットワーク大学でアニメーション文化講座が開講されます

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アニメーション文化の普及啓発活動の一環として開講したアニメーション文化講座も6回目を迎えました。

今年度は、「アニメーション文化講座 アニメーションの見方を学ぼう~受け継がれる制作者たちの志~」と題し、制作現場で活躍してきた当事者や研究家のみなさんを講師におむかえし実施いたします。

第1回は、数々のスタジオジブリ作品で作画監督をつとめ、現在はスタジオポノックで活躍する稲村武志氏。
第2回は、「セロ弾きのゴーシュ」「アルプスの少女ハイジ」「未来少年コナン」等数々の作品で原画を担当してきた才田俊次氏。
第3回は、「世界名作劇場」や初期スタジオジブリ作品で作画監督を担当するなど、テレビアニメから劇場用アニメ、ゲーム作品に至るまで様々な作品に携わってきた佐藤好春氏。
そして総括の第4回では、映像研究家として、多くのアニメーション制作者の証言を収集してきた叶精二氏。

はじめての方にも楽しんでいただける内容です。一緒にアニメーションの知見を広げ、もっとアニメーションを楽しんでみませんか。


[講座名]

三鷹ネットワーク大学企画講座/三鷹の森ジブリ美術館協力

アニメーション文化講座
アニメーションの見方を学ぼう~受け継がれる制作者たちの志~



[講座趣旨]

 日本のアニメーションは、1917年、3人の作家、下川凹天、幸内純一、北山清太郎によって始まったと言われています。その後、政岡憲三が、ディズニーなど海外のアニメーション技法を研究しながら、日本における本格的なセルアニメーションの制作を開始します。戦後になって政岡は日動映画を立ち上げましたが、後に東映動画に吸収され、その技術や理論の一部は制作スタッフとともに東映動画に引き継がれました。しかし、テレビアニメーションが量産されるようになると、政岡が追い求めた技術や理論の多くは必要とされませんでした。主観的で感情移入型の演出方法が発展した日本のアニメーションにおいては、動きよりも、ストーリー展開のほうが重要視されたからかもしれません。

 高畑勲や宮崎駿は東映動画の出身であり、本来であれば伝統的な技術の多くを引き継いで、時間や予算が許せばやりたかったことがたくさんあったはずです。しかしそれが許されなかったことから、試行錯誤の末、新たな技術や表現を生み出したといいます。それは伝統的な表現方法を理想としながらも、現状の中でやれる最大のことに挑戦したといえるでしょう。そしてその精神は、間違いなく政岡から受け継がれたものなのです。こうして受け継がれてきた制作者たちの志とはいかなるものなのでしょうか?。

 現在、多種多様なアニメーションが作られるようになり、ますます広がってきたアニメーションの技術や表現方法の中で、政岡憲三をルーツとし、東映動画からスタジオジブリに至るアニメーション制作の歴史の中では、具体的にどのような技術的・表現的発明があり、制作現場ではどのようなことが重要視されてきたのでしょうか?

 この講座では、制作現場で活躍してきた当事者や制作者たちの声をたくさん聞いてきた講師陣の証言によって、その一端を紐解き、アニメーション表現の真髄と面白さの秘密を探っていきたいと思います。


[講座スケジュール]



1/12(金)

アニメーション表現の基礎と制作者の志   講師:稲村武志(アニメーター・作画監督)
アニメーション技術の基礎講座。上手なアニメーションにはどのような秘密があるのでしょうか?脈々と受け継がれてきた技術と精神を、制作者自身の視点で紐解きます



1/19(金)

高畑勲・宮崎駿両監督作品の現場から①  講師:才田俊次(アニメーター・作画監督)
高畑・宮崎両監督の初期作品における貴重なエピソードを交えながら、当時の制作現場ではどのようなことが大切にされ、その後のアニメーションに引き継がれていったのかを探ります。



1/26(金)

高畑勲・宮崎駿両監督作品の現場から② 講師:佐藤好春(アニメーター・作画監督)
高畑・宮崎両監督の制作現場のエピソードを通して、創作の秘密を語ります。聞き手は、アニメCMのプロデューサー釘宮陽一郎氏です。



2/2(金)

総括およびアニメーションの現在と未来 講師:叶精二(映像研究家・フリーライター)
高畑勲、宮崎駿ら一群の制作者たちは、手間を惜しまない東映動画(現東映アニメーション)制作の長編を起点として出発しました。その技術思想や表現様式は、省力化を前提としたテレビシリーズ制作の中でどのような変遷をたどり、何を継承・発展させて来たのか。1970年代を中心に現在に至る流れの俯瞰を試みます。


詳しい講義内容は、こちらへ → シラバス(PDF 551KB)



[開催概要]

日時: 2018年1月12日(金)、19日(金)、26日(金)、2月2日(金) (全4回通し受講)

    19:00~20:30

場所: 三鷹ネットワーク大学(JR三鷹駅南口)

定員: 50名 (※先着制)

受講料: 一般 3,000 円 ※詳細はシラバスをご参照ください

お申し込み:
申込受付 12月5日(火)午前9時30分~




※三鷹市民だけでなく、老若男女、どなたでも参加できます。

※4回通しでの受講となります。一回のみの申し込みはできませんので、ご了承ください。

※三鷹ネットワーク大学WEBサイトから直接申し込むか、申込用紙を入手して必要事項をご記入の上、「FAX」「窓口」「郵送」のいずれかの方法で同大学へお申し込みください。(定員:50人 先着制) なお、申込には「受講者登録」が必要です。


詳しくは、三鷹ネットワーク大学WEBサイトをご確認の上、お申し込みください。
みなさんの参加をお待ちしています。

お申し込み・お問い合わせ:
NPO法人三鷹ネットワーク大学推進機構 http://www.mitaka-univ.org
TEL 0422-40-0313
開館時間 9:30~21:30(入館は21:00まで) / 日曜日は17:00まで / 月曜・祝日は休館

2017年12月 新しいごあいさつ

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11月

11.29(水)

・昨日の休館日におこなったクリスマス装飾ですが、お客さまにみてもらえる本当の初日は今日。さてどんな感想が寄せられでしょうか?企画展示「食べるを描く。」をヒントに、ごちそうに彩りを添えるフルーツやお菓子がモチーフに取り入れられていますが、中には本物もあるようです。ぜひ探してみてくださいね。
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11.30(木)

・この公式HP上でもお知らせいたしましたが、11月28日に12年ぶりに館長が代わりました。朝礼にて安西新館長より「新しいことをやるには今がチャンスの時期です!」という、まさに新風を吹きこむようなご挨拶があり、スタッフ一同気を引き締めています。春一番かそよ風か、はたまた砂嵐が巻き起こるのか。今後のジブリ美術館もどうぞ見守ってください、よろしくお願いします。お祝いをくださった皆様、ありがとうございました。

12.1(金)

・先週、無事に走り切った駅伝部員たち。次の日出勤して来ると「筋肉痛どう?」とお互い確認し合っています。後輩部員は足やお腹、とどこかしらが痛そうな一方、先輩部員たちは「全然平気だよ!」と笑顔です。どうもこれは年齢は関係なく、入念にマッサージやストレッチをした差だったようです。そんな年の功な先輩たちの知恵をきき「なにごともアフターケアが大事...!」と、学ぶ後輩部員たちなのでした。

12.2(土)

・ショップにて中国からお越しの女性と会話されていた上野さん。言葉が通じず四苦八苦でしたが、なんとかコミュニケーションをとろうと諦めずにお話を聞いていると、中国語の中に一瞬だけ、「キムラタクヤサン」という単語が。その手掛かりから「ハウル」のことを仰っていることがわかり、商品をご案内することができたそう。粘り強い上野さん、嬉しそうでした。

12.3(日)

・カフェの店内メニュー「麦わらぼうしのシベリア」。宮崎駿監督『風立ちぬ』の中に登場しますが、何の映画に出てきたのか思い出せず、メニュー表をみて不思議そうな様子の方も見受けられます。そんな様子を目撃した小川さん。メニュー名に『あの!麦わらぼうしのシベリア』と付けたらどうか、と提案されると、「うーん...『かの!』はどうですか?」と返し、小川さんも日々頭を悩ませています。ちなみにシベリアは提供するのが今回で2回目。前回とは羊羹の部分などリニューアルしています。前回召し上がった方も、是非もう一度お召し上がりください。
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12.4(月)

・2階エリアに異動することになった犬好きの成田さん。これまで担当していた受付や外のエリアでお仕事の最終日は、近隣から犬を散歩に連れたみなさんが、普段よりたくさん会いに来てくれました。この持ち場は近隣の方々と接することも多く、毎日ここに立つ成田さんはすっかり顔なじみになっていたのでした。ごあいさつに来てくれたワンちゃん一匹一匹に、「また会おうね!」、「2階から見てるよ!」と声を掛ける姿に、ちょっと犬ロスが心配になってしまうスタッフでした。


2017年50号

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みつばちさんと花のたね

作...アリソン・ジェイ 文...蜂飼耳 徳間書店 1,700円(税抜)
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 ある雨の日、びしょぬれの"みつばち"がデイジーのところにやってきました。さとう水をごちそうし、濡れたからだをドライヤーで乾かすと、みつばちは元気になりました。それからデイジーとみつばちはいつも一緒。みつばちはぐんぐん大きくなって、ある時デイジーを背中にのせて野原をめざして飛び立ちました。

 この本の作者アリソン・ジェイさんが絵を担当した『くるみわりにんぎょう』(徳間書店)は、2014年度の美術館企画展示「クルミわり人形とネズミの王さま展」のきっかけを作った絵本です。宮崎駿監督がこの絵本に出会わなければ、企画展示の実現はありませんでした。そして、今年の6月に刊行された『みつばちさんと花のたね』を読んだ宮崎監督はこの本を気に入り、「なんて愛らしいみつばち!! みどり色がとても美しい絵本です......」というコメントを書いてくれました。

 日本版の絵本では文章がつけられていますが、原作は文字のない絵だけの絵本です。丸い顔に黄色と茶色のふわっとしたからだのみつばち。デイジーと自転車で出かけたり、お茶を飲んだり......。見ているだけで幸せな気持になります。さらに、建物の窓にはそこで暮らす人びとがいて、通りを行く人、車、鳥や葉っぱまで丁寧に描かれているので、階層ごとにのぞいていく楽しさや、他でもお話が生まれてきそう気配を感じます。

 やさしい色使いで世界が創られ、絵のすみずみまでじっくりと見て、読む楽しさにあふれている本です。

魔女がいっぱい

著者...ロアルド・ダール 絵...クェンティン・ブレイク 訳者...清水達也 鶴見敏 評論社 1,300円
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 意地悪でどぎつい表現や展開に驚きつつ、引きこまれてしまう物語ってありませんか。本作も読後の印象が強烈なため、好き嫌いが分かれそうですが、時間を忘れて読んでしまう本だと思います。

 それは、夏休みにおばあちゃんと訪れたホテルでのことでした。少年は〝素敵なご婦人たちの集まり〞に見せかけた魔女の集会に迷い込んでしまいました。仮面をはずした魔女たちは、爪はまがり顔は腐りとても醜い姿をしています。この日は大魔女から魔女たちへ、イギリス中の子どもたちをネズミ化する計画が発表されました。全てを聞いていた少年は、魔女たちに見つかってしまいます。

 魔女軍団に囲まれ、ネズミの姿に変えられてしまった少年の状況は、ホラー作品のように恐ろしく、空想物語でありながら現実的な設定が不気味さをかきたてます。恐くて先を読めない子どももいるでしょうが、逆に怖いもの見たさでやめられなくなる子どももいると思います。魔女の言葉づかいやネズミに変えられた金持ちブルーノくんなどなど、こっけいでユーモラスな描写もたくさんありますが、ダールの語り口は少し残酷で、独特のブラックさが漂います。紫で描かれたクェンティン・ブレイクの挿絵もそんなお話にぴったりです。

 おばあちゃんと少年は魔女たちに反撃することにしますが、さてどうなることでしょう。ページをめくる手が止まらなくなり、最後まで楽しいのですが、予定調和を想像していると裏切られるので、ご注意ください。

季刊トライホークス 50号(内容紹介)

「季刊トライホークス」は、図書閲覧室で3ヶ月ごとに発行しているフリーペーパーです。ここでは、図書室の本を紹介するとともに、様々な分野で活躍している方に本の紹介をしていただき、図書室の枠をこえ「本」と出会うきっかけ作りをしていきたいと考えています。

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夢中になって読んだ本
今回は絵本作家のいとうひろしさんに本を紹介していただきました。いとうさんが取り上げた2冊の本を通して、絵本の奥深さを改めて知ることができました。
連載「ロバート・ウェストール(第3回)」
ウェストールの "怖い話"を取り上げています。カーネギー賞を受賞した『かかし』や『ゴーストアビー』など迫力あるホラー作品の他に、彼が選者となって出版されたGhost Storiesという22篇を集めたオムニバス作品も取り上げています。
山猫だより「子どもの1日」」
美術館の裏側(?)、日常について書いています。今年の夏、美術館では夏休みの1日を子どもたちだけの空間として開放し、美術館を思いきり楽しんでもらおうというイベントを行いました。

2017年12月 新しいごあいさつ

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11月

11.29(水)

・昨日の休館日におこなったクリスマス装飾ですが、お客さまにみてもらえる本当の初日は今日。さてどんな感想が寄せられでしょうか?企画展示「食べるを描く。」をヒントに、ごちそうに彩りを添えるフルーツやお菓子がモチーフに取り入れられていますが、中には本物もあるようです。ぜひ探してみてくださいね。
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11.30(木)

・この公式HP上でもお知らせいたしましたが、11月28日に12年ぶりに館長が代わりました。朝礼にて安西新館長より「新しいことをやるには今がチャンスの時期です!」という、まさに新風を吹きこむようなご挨拶があり、スタッフ一同気を引き締めています。春一番かそよ風か、はたまた砂嵐が巻き起こるのか。今後のジブリ美術館もどうぞ見守ってください、よろしくお願いします。お祝いをくださった皆様、ありがとうございました。

12.1(金)

・先週、無事に走り切った駅伝部員たち。次の日出勤して来ると「筋肉痛どう?」とお互い確認し合っています。後輩部員は足やお腹、とどこかしらが痛そうな一方、先輩部員たちは「全然平気だよ!」と笑顔です。どうもこれは年齢は関係なく、入念にマッサージやストレッチをした差だったようです。そんな年の功な先輩たちの知恵をきき「なにごともアフターケアが大事...!」と、学ぶ後輩部員たちなのでした。

12.2(土)

・ショップにて中国からお越しの女性と会話されていた上野さん。言葉が通じず四苦八苦でしたが、なんとかコミュニケーションをとろうと諦めずにお話を聞いていると、中国語の中に一瞬だけ、「キムラタクヤサン」という単語が。その手掛かりから「ハウル」のことを仰っていることがわかり、商品をご案内することができたそう。粘り強い上野さん、嬉しそうでした。

12.3(日)

・カフェの店内メニュー「麦わらぼうしのシベリア」。宮崎駿監督『風立ちぬ』の中に登場しますが、何の映画に出てきたのか思い出せず、メニュー表をみて不思議そうな様子の方も見受けられます。そんな様子を目撃した小川さん。メニュー名に『あの!麦わらぼうしのシベリア』と付けたらどうか、と提案されると、「うーん...『かの!』はどうですか?」と返し、小川さんも日々頭を悩ませています。ちなみにシベリアは提供するのが今回で2回目。前回とは羊羹の部分などリニューアルしています。前回召し上がった方も、是非もう一度お召し上がりください。
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12.4(月)

・2階エリアに異動することになった犬好きの成田さん。これまで担当していた受付や外のエリアでお仕事の最終日は、近隣から犬を散歩に連れたみなさんが、普段よりたくさん会いに来てくれました。この持ち場は近隣の方々と接することも多く、毎日ここに立つ成田さんはすっかり顔なじみになっていたのでした。ごあいさつに来てくれたワンちゃん一匹一匹に、「また会おうね!」、「2階から見てるよ!」と声を掛ける姿に、ちょっと犬ロスが心配になってしまうスタッフでした。

冬季休館のお知らせ

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2017年12月27日(水)~2018年1月2日(火)まで、ジブリ美術館は冬季休館となります。

次の開館日は2018年1月3日(水)からです。

新年からもどうそよろしくお願い致します。

謹賀新年

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あけましておめでとうございます。
訪れてくれたみなさんにとって、好奇心のスタート地点になるような美術館を目指しスタッフ一同努めて参ります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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2018年 元旦

新しい映画「毛虫のボロ」の上映が決定しました!

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ジブリ美術館オリジナル短編アニメーションに、新作が加わります。

3月 21日( 水・祝 )より、 映像展示室「土星座」にて上映開始です。


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©2018 Studio Ghibli


草むらのなか、夜が明ける前に卵からかえった毛虫のボロ。
初めて見る朝陽はとてもまぶしくて、世界はおいしそうな空気にあふれていました。ボロは、ボロギクの根元に降り立ち、毛虫の先輩や外敵が行き来する世界へと踏み出します。

原作・脚本・監督:宮崎駿
時間: 14分 20秒

3月のチケットは、2月10日(土)発売です。
10作目となる短編アニメーション 映画新作、「毛虫のボロ」。
上映スケジュールは こちら

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