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Channel: 三鷹の森ジブリ美術館
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GIORNALE DEL MAMMA AIUTO! 【ステンドグラス】~マンマユート便り vol.13

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9月、だんだん夕暮れがはやくなり、西日に照らされた館内のステンドグラスが1日の終わりを彩ります。 およそ2ヶ月間の改装工事を終えた美術館。新しい企画展示『猫バスにのって ジブリの森へ』もはじまり、より一層活気に溢れています。 ショップでも、メンテナンス休暇の間にたくさんのオリジナル新商品ができあがりました。 スタジオジブリ作品ならではの、ひとつひとつのシーンがよみがえるようなポストカードも勢揃い。 店内の一角にできたポストカードコーナーでは、どの作品のどのシーンにしようかと選んでいるうちに、つい時間が経つのを忘れてしまいます。 この秋、模様替えをしたショップもゆっくりご覧いただけたら嬉しいです。





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暮らしのなかに彩りを感じる喜び・ステンドグラス―――【ランプ、窓飾り、ポストカード、一筆箋】

開館から16年を迎え、この夏、全館の化粧直しを終えたジブリ美術館。
じつはほぼすべての窓がステンドグラスで彩られています。それは館主である宮崎駿監督の構想により実現しました。
単なる装飾ではなく、壁や床にステンドグラスからおちる何色もの〝光〟を感じて、
子どもたちに、この世界は複雑で美しさに満ちていることを発見して欲しい――
そんな思いが込められているのです。
今回は、ガラスで描かれたジブリ作品、その舞台裏を覗いてみましょう。

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▲館内のステンドグラス。陽の入る向き、外側の風景などを考えてデザインされている。


ジブリ美術館にあるすべてのステンドグラスのデザインと製作を宮崎監督から任されたのは、
八田高聡(やつだ たかあき)、ゆり子ご夫妻です。約二年の歳月をかけて、100点以上に及ぶステンドグラスを完成させました。
今回、清里にある工房を訪ね、作品がどのように生まれるのかを、お二人に伺うことにしました。

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▲(左)八田ゆり子さん1949年生まれ (右)八田高聡さん1948年生まれ。共に東京芸術大学で鋳金を専攻。77年フリーの作家として活動を開始。
82年に工房を山梨県清里に移す。夫妻でヨーロッパの田舎町の景色、人物、風習などに触れ、その後の創作に活かしている。
ゆり子さんは写真撮影は苦手だそうで、はにかみながらの撮影となった。


自然の中から生みだされるイメージ

東京から高速道路を走り、約2時間――窓の外の景色が目に優しい緑色に変わっていきます。
八ヶ岳の麓の自然に囲まれたログハウスに到着すると、八田さんご夫妻が出迎えてくださいました。

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▲お二人は1982年に山梨県清里に移住し[清里ステンドグラス工房・ボッテガヴェスタ]を開く。住居と工房を兼ねる木造住宅は、お二人の参加型建築作品。

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▲可憐な草花が生い茂る広い庭のお手入れは、ゆり子さんの役目。庭に出るとしばらく帰ってこないそう。
取材の合間にも、イチゴを摘んできて私たちにふるまってくださった。


とても素敵なところですね。環境としては最高ではないでしょうか。

八田  ちょうどいい時期に来ていただきましたね。ここら辺の草木がいちばん青々として美しいのは、
梅雨の晴れ間なんですよ。今日はうまい具合に晴れてよかったです。
この庭に生えている野草や、花に集まる昆虫などを作品のモチーフに取り入れることもあるんです。

ジブリ美術館のステンドグラスのひとつひとつにもたくさん草花が描かれています。
このお庭は八田さんの創作の源でもあるのですね。

八田  このくらいの庭でも手入れしようとするとけっこう大変です。もう少し手のかからない庭にしたいんですけれどね(苦笑)。

八田(ゆ)  南ドイツあたりに行くと、ほとんど木の庭で、花は庭のまわりにちょっとという感じでしたね。
あの楽しみ方は気分がよさそうでしたし、うちも将来的にはそういうのもいいかなと思ってるんです。

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▲館内のステンドグラスで、植物をモチーフにした作品。草花となれ親しむ、ゆり子さんならではのデザイン

このたび美術館用に新しいステンドグラスの製作をお願いしたしましたが、いかがですか?

八田  ええ、ちょうどできたところです。
今回は常設展示室[映画の生まれる場所]にある〝少女の部屋〟(世界をつくる所)のランプシェードを入れ替えるとのことで、
優しくあたたかみのある色を基調に作りました。

八田(ゆ)  黄色も、少し冷たさを感じるレモンイエローやペールイエローではなく、なるべくあたたかい感じの色を探したんです。

ひとつひとつかわいいですね。クルミわり人形のデザインもありますね!

八田  気づかれましたか(笑)。ほかにも、いなかで農作業をするおじいさんとおばあさんや、遊んでいる子どもたちが描かれています。
そしてデンデン虫やカエル、チューリップやペンペン草など、それぞれに植物や生き物のモチーフを入れているんですよ。

清里の自然の中での八田さんの穏やかな生活ぶりが、そのままガラスに投影されているのですね。

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▲少女の部屋のランプシェードはこれまで青系だったが、展示物の変更とともに暖色系に。
「暖色にするのには赤というのがいちばん基本的なんですが、僕たちの好きな茜色のガラスを新たに仕入れました」(八田さん)

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▲クリスマスのイメージのランプシェード。クルミわり人形のネズミの王さまの下にはヤドリギが。




日本建築に溶け込む八田さんの作風とは

ご夫婦で身の回りにある草花や動物などに触れながら、材料にもこだわりを持って創作活動をしてこられた八田さん。
そこに込められた想いとはなんでしょう。

さまざまな色ガラスが素材に使われていますね。あまり見たことのない色もありますが、このガラスはどこで手に入るのでしょうか?

八田  透明のガラスの表面に色のついた層が重ねてある《被せ(きせ)ガラス》というものですが、日本でつくっているところはないですね。
私たちが使っているのはほとんどドイツ製です。こういう手吹きのガラスですと、均一ではなく泡が入っていたり、しわがよっていたりして、むこう側の景色がゆらいで見えるんです。

ほんとうですね、向こう側の風景が少しにじんだようにやわらかく見えます。

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八田  宮崎監督はジブリ美術館をつくるとき、私たちに「あのゆらゆらガラスを使って」とおっしゃいました。
私たちは「手吹きアンティークガラス」と言いますが、「ゆらゆらガラス」っていい言葉だなぁ、それいただきと思ったんですよ(笑)。

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▲ドイツから取り寄せたという各種《アンティークガラス》。
ガラスを膨らませて直径20センチくらいの筒状にし、上下を切ってハサミを縦に入れて広げたもの。
「輸入される手作りアンティークガラスの最大サイズは600mm x 900mmくらいです。」(八田さん)


ステンドグラスというとヨーロッパの教会にあるようなものをイメージしますが、八田さんの作品は教会風のものとは違いますね。

八田  ヨーロッパではステンドグラスの歴史が1000年くらいあるんですが、
最近はちょっとモダンなものも増えてきているとはいえ、教会に入っているのが全体の90%くらいでしょうか。
ヨーロッパと日本の建築素材は根本的に違いますから、同じ絵を持ってきても、まったく合わないんですよね。
日本の普通の家にキリストのステンドグラス絵の窓があったらおかしくみえるでしょう?
私たちがやりたいのは日本の住環境――というよりも住空間ですか、それに合うステンドグラスなんです。

そうなんですね。日本の住空間の中にフィットする絵とはどういうものなのでしょうか?

八田  絵自体が主張しすぎてはだめなんです。画廊で1枚、絵を見るならいいのですが、
家に飾るのであればそうではないものを作りたいんです。
どこにあっても邪魔にならなくて、でもちょっと嬉しくなるなぁという。
私たちが普通に暮らす家にステンドグラスが入ったら、さぞかし気持ちがいいだろうな、快適だろうなと――そういう提案をしたいんです。

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▲八田さんのお住いのあちこちには、自作のステンドグラスがさりげなく配置され生活の一部になり、
暖かい光がお二人の時間を照らしている。





オリジナル商品の開発へ

ステンドグラス――それは意匠を楽しむだけでなく、
光と色の美しさで生活をより豊かにしてくれるものであることがわかりました。
ショップでも吊り下げされる窓飾りと、ランプを取り扱っています。

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さらに八田さんはその魅力をもっと身近に感じてほしいと考え、なんとか印刷物でステンドグラスを表現できないかと、さまざまなオリジナル商品も企画しました。
ここでは、苦心の末に生まれた[ポストカード]と[一筆箋]について、お話を聞いてみたいと思います。

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八田さんデザインのポストカードと一筆箋の表紙は、紙ではなく透明シートに印刷されているのが大きな特徴ですね。

八田  美術館のオープンの頃から、「カードにしませんか?」という話はあったんです。
でもただ紙に刷ったカードではあまりおもしろくないかなぁと思い、透明シートにしたい、というイメージがありました。
知り合いのデザイナーさんに、「こういうのって日本で製作できますか?」と聞いたら、サンニチ印刷さんなら可能かも知れないと。

八田(ゆ)  すごく優秀な技術者がいますよと、太鼓判を押して下さいました。それが藤巻正基さんです。

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▲藤巻正基さん。株式会社サンニチ印刷、技術開発担当部長、プリンティングディレクター。
コンピューターやカメラなどに精通し、さまざまな技法にチャレンジするアイディアマン。
八田さんご夫妻の要望に粘り強く応え、商品化に結びつけた。(取材は8月18日、ジブリ美術館にて)


八田さんから依頼を受けたとき、最初はどのようなやりとりをされたのでしょうか?

藤巻  まず、「ステンドグラスは、建物の中にあって光の入り方や外側の風景を見ることを考えたものなので、
美術館の中から見る状態を、できるだけそのまま再現して欲しい」というご要望をいただきました。

たいへんむずかしい要望ですね。

藤巻  はい。それに加えて八田さんのステンドグラスの色は、ウルトラマリンブルーやオレンジ、グリーンなど、
インクで出しにくい色のオンパレードなんですが、それぞれの色をきれいに出してほしいというご要望もありました。

実際にはどのように対応されたのでしょう?

藤巻  まず色について、通常印刷で行われる「4版刷り」では八田さんのステンドグラスの色を表現することは無理でした。
それに紙とちがって、透明シートには色がのりにくいんです。
これまで7色までならやったことがあったのですが、いろいろ試行錯誤しまして。結果的には10版印刷という手法をとりました。

ガラスの色を表現するために通常の倍以上の手間をかけているのですね!

藤巻  はい。でも実物を撮影したものを10版で印刷しても、八田さんの求められる商品にはならなかったんです。

どういうことでしょうか?

藤巻  撮影したものをそのまま印刷すると実態には近いんですが、
光の入り方や影の落ち具合などで、見え方のバランスは作品と違っているんです。
例えば、実際のガラスはきれいな色が使われているのに、光が強すぎると端に配置されている部分は暗く映り全体の色味がちがっていたり、
背景にあるものが透けて映り込んでいることで変わって見えていたりします。
八田さんが目指す、ポストカードにしたときのガラス色に近づけるために、
一作品ごとに何百という色に分解して、一色ずつ地道に色の修正を行いました。
風景は生きているので、迷ったときには実際に美術館を訪れて、
朝の光から夕暮れの光まで何時間もかけてじっと実物のステンドグラスを確認していましたね。

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そこまで手間をかけて作りこむことはあまりないのでは?

藤巻  これまで三十年間印刷の仕事をしていますが、ここまでの仕事はなかったです。
でも「なんとかして八田さんご夫妻の気持ちに応えるんだ!」と思ってがんばりました。

宮崎館主の気持ちに八田さんが応えてくれたように、藤巻さんもできる限りのことをしてくださったわけですね。

藤巻  基本的な方針として、お客様のやりたいという想いに100%近づけるのが私どもの仕事ですが、
八田さんご夫妻には一筆箋の紙の罫線やレイアウト、それから描き味にも「こうしたいのです」という思いがあり、
それを言われると、なんとか作らなきゃいけないなと感じました。
印刷の経過も八田さんに細かく見ていただきましたが、最終的には「まかせていいか」と思っていただけてよかったです。

そうだったのですね......。藤巻さんの思いもあって完成したこのカードは、
もうひとつの八田さんの作品とも言えるものに仕上がっているのですね。



もっと身近に

八田さんご夫妻が、色ガラスに描く幻想の世界......ポストカードと一筆箋は、ジブリ美術館を彩る作品を気軽に自宅に持って帰れる商品になっています。
最後に、なぜ八田さんが紙ではなく透明シートにこだわったのか、その理由と楽しみ方を教えてくださいました。

八田  一筆箋を使い終えたら、表紙の透明シートはステンドグラスになるんです!
水をつけて、窓にぺたっと貼れば(笑)。水でくしゃくしゃになりませんし、
これならステンドグラスを買わなくても、手軽に美しさを楽しんでもらえるでしょう?(笑)

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また、立てて窓辺に飾れるポストカードにもこだわりがあります。

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藤巻  透明シートだけではステンドグラスの雰囲気がでないので、よりそれらしく見えるように、
「シートの裏の台紙を型抜きして窓にしましょう」と八田さんから提案がありました。
裏から光を取り入れてもっと色を鮮やかに見せようと、窓が開く仕掛けにしたのも八田さんのアイディアなのです。

お二人の豊かな心と、ものづくりへの強い信念と信頼。
自然の中でていねいに作り出される八田さんのステンドグラスは、
光や風景とひとつになることで、
見たひとの心をどこか暖かくしてくれます。

ふと窓辺に目を向けたときに感じる光のシルエットは、
私たちの日常をちょっぴり豊かに彩ってくれることでしょう。

(2016年6月、山梨県北杜市にて収録)



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今回ご紹介するのは、ステンドグラスをモチーフにした商品です。

ステンドグラス窓飾り/ステンドグラスランプ  ... 窓飾り 丸型42,000円(税別) 角型48,000円(税別) ランプ140,000円(税別) 120,000円(税別)

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トトロ・ジジ・キツネリスの絵柄のステンドグラス窓飾りと、トトロのランプ。すべて一点物なので絵柄や形だけでなく、色合いもひとつずつ異なります。素材のガラスの中に見えるきらきらした気泡や、波のようなゆらぎは、吹いて作るときにできたもの。ランプを点灯すれば温もりのある光に包まれ、うっとりしてしまいます。作家の八田さんならではの表情豊かな色ガラスの使い方、そして繊細なモチーフの描写をぜひ間近で感じてみてください。


ステンドグラスポストカード  ... 大700円(税別) 小600円(税別)


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館内にあるステンドグラスがポストカードになった人気商品。紙でできた小さな窓を広げて飾ることができ、光にかざせば美しい影が現れます。よくみるとガラスに溶け込むように映りこんでいるのは美術館の外の光景。眺めていると館内で出会ったステンドグラスの記憶が甦ります。お手紙として贈れば大切な人への特別な一枚になりそうです。


ステンドグラス一筆箋 ... 各650円(税別)


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こちらも、美術館の各所に施されたステンドグラスのデザインを用いた一筆箋。どこの場所に入っているステンドグラスか探してみるのも楽しいかもしれません。表紙を開くと表れるかわいい絵柄は、八田さんご夫妻がデザインされたもの。ペンの滑りもよい、こだわりの紙を使用しています。使い終わったら表紙のフィルムを剥がしてガラス窓に飾ってみるのも素敵です。


※商品は品切れの場合がありますので予めご了承ください。


三鷹ネットワーク大学で高畑勲監督の講座が開講されます

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お申し込み期間は終了いたしました。


10/7(金)から三鷹ネットワーク大学でアニメーション文化講座が始まります。
アニメーション文化について広く深く知っていただきたいと始めたこの講座も、今年で5回目を迎えました。講師は、昨年に引き続き高畑勲監督。前回とは趣の異なる切り口で、アニメーションの見方、楽しみ方を講義していただきます。

[講座名]
三鷹ネットワーク大学企画講座/三鷹の森ジブリ美術館協力
アニメーション文化講座
 「傑作アニメーションを、とことん味わおう#1 『岸辺のふたり』『くもとちゅうりっぷ』」
講師: 高畑 勲(アニメーション映画監督)

[講座趣旨]
 10分前後の短編アニメーションの中には、芸術性と娯楽性を兼ね備え、長編では味わえない魅力をたたえたものが数多く存在します。ところが日本では、アニメといえば、テレビアニメか劇場用の長編アニメ映画のことだと思っている人が、残念ながら多いのです。
 今回の講座は、優れた短編アニメーション作品の中から特に傑出した二本を選び、それを徹底的に鑑賞してみようという企画です。どちらの作品も、繰り返し見ることが苦痛ではなく、快楽であるような驚くべき傑作です。これらを何度も見、討論することによって、受講者みずからが、その映像的な魅力、表現の斬新さ、そして内容的な含蓄の深さを発見していく、というのがこの講座の狙いです。参考作品の上映もあります。
 講師はアニメーション映画の作り手である高畑勲監督。アニメーション映画がこんなにも深く、面白いものなのか、ということがきっと納得できるはずです。

[講座スケジュール]
10/7(金)
「岸辺のふたり」(監督:マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット)をじっくり観よう。何度か上映し、その都度、講師が受講者に細部について質問し、受講者が答え、映像をきちんと把握する。
参考上映「お坊さんと魚」(同上)
10/14(金)
「岸辺のふたり」の、一見シンプルに見えるアニメーションにこめられた、様々な意味や背景をともに読み解く。
10/21(金)
「くもとちゅうりっぷ」(監督:政岡憲三)をじっくり観よう。その上で、感想を出し合い、戦後のアニメとどこが違うかも発見する。
参考上映「桜」(同上)
10/28(金)
「くもとちゅうりっぷ」から東映動画へと続くアニメーションの歴史、政岡憲三という天才作家が生まれた背景を、様々な歴史資料と共に解説する。
特別講師に、なみきたかし氏(オープロダクション社長)をお招きする。
詳しい講義内容は、こちらへ → シラバス(PDF 551KB)

[開催概要]
日時: 2016年10月7日(金)、14日(金)、21日(金)、28日(金) (全4回通し受講)
    19:00~20:30
場所: 三鷹ネットワーク大学(JR三鷹駅南口)
定員: 50名 ※定員を超えた場合は抽選となります
受講料: 一般 3,000 円 ※詳細はシラバスをご参照ください
お申し込み: 申込受付 9月6日(火)午前9時30分~ 締め切り 9月20日(火)午後5時

※三鷹市民だけでなく、老若男女、どなたでも参加できます。
※4回通しでの受講となります。一回のみの申し込みはできませんので、ご了承ください。
※三鷹ネットワーク大学WEBサイトから直接申し込むか、申込用紙を入手して必要事項をご記入の上、「FAX」「窓口」「郵送」のいずれかの方法で同大学へお申し込みください。(定員:50人 定員を超えた場合は抽選) なお、申込には「受講者登録」が必要です。


詳しくは、三鷹ネットワーク大学WEBサイトをご確認の上、お申し込みください。
みなさんの参加をお待ちしています。

お申し込み・お問い合わせ:
NPO法人三鷹ネットワーク大学推進機構 http://www.mitaka-univ.org
TEL 0422-40-0313
開館時間 9:30~21:30(入館は21:00まで) / 日曜日は17:00まで / 月曜・祝日は休館

【三鷹の森フェスティバル2016】が開催されます

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昨年に引き続き、今年も井の頭公園で話題・注目のミュージシャンによる無料ミニライブが開催されます。

三鷹市の姉妹・友好市町村の物産販売や、模擬店での小物、飲食の販売、井の頭公園のかんさつ会も行われる予定です。この機会に、秋の一日を心ゆくまでお楽しみ下さい。

【概要】

日時:平成28年10月16日(日)(小雨決行)
   午前11時~午後5時(予定)
場所:井の頭恩賜公園 西園

主催:特定非営利活動法人みたか都市観光協会
共催:三鷹市、三鷹の森ジブリ美術館

【プログラム】

11:00~  開会セレモニー
11:30~  Rei
12:15~  ヒグチアイ
13:25~  優河とおおはた雄一
14:40~  森恵
15:50~  Schroeder-Headz

※プログラムは目安です。都合により時間は変動します。

出演者情報、その他詳細は「三鷹の森フェスティバル facebookページ」をご覧下さい。

チラシは下記PDFをご覧下さい。
三鷹の森フェスティバル2016.pdf(730KB)

どうぞお楽しみに!

10月

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10.1(土)

・マルシェ当日は雨の予報で心配していましたが、終日なんとかもって一安心。この日は特別に麦こがしを使ったクレープやワゴン販売では念願のホットコーヒーも始まりにぎやかなデッキになりました。初めて担当者になったホールスタッフの原さんは、「改めてとっても食材の勉強なった」とスタッフにとっても収穫があったようです。
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10.2(日)

・市民デー2日目です。昨日に引き続き、カフェデッキではベーゴマや剣玉などで遊べる、むかし遊びのコーナーを設けたり、ジブリ美術館に関するクイズをしたりと、賑やかな一日となりました。
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<お客様の見本に、皿回しに挑戦する天内さんと中村くん>


10.3(月)

・季刊トライホークスの次号の取材に出かけた石光さんと机さん。作家さんにインタビューをしたのですが、作家さんと石光さんが共通の話題で大盛り上がりしたそう。打ち合せから帰ってきた机さんは、「石光さんと好みが似ている方で、石光さんは近年まれに見るくらい楽しそうだった」と話していました。季刊トライホークスは11月を目指し絶賛制作中です。


10.4(火)

・館長が海外出張に行くことになり、にわかに英語ブーム到来の館長と広報チーム。「ここでの会話は英語にしましょう!」と盛り上がるもその後の会話が続かず、すぐに公用語は日本語になりました。


10.5(水)

・「今日、良いことがあったの!」と嬉しそうな山川さん。カフェデッキにあるオリーブの木に実ができていたそうです。オリーブは1本だけあっても受粉できず実ができません。もともとは2本オリーブの木があったのですが1本になってからというもの、ずっと実ができていなかったので感慨もひとしおです。これからもっと実が増えていくことを願う山川さんです。
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10.6(木)

・仲良く手を繋いでやってきたおじいさんとお孫さん。トトロのステンドグラスに喜ぶお孫さんを見て、おじいさんがトトロの「さんぽ」を歌いだしました。「あるこうあるこう~わたしは~げんき~」と快調な滑り出しですが「あるくのだいすき~」と歌ってから先が思い出せず、その後「ドンドンドコドン~ドコドコ~...」と全てを通していました。ですが、とっても楽しそうな様子の2人に聴いているこちらも思わず笑顔になりました。


10.7(金)

・今年も、三鷹ネットワーク大学で、アニメーション文化講座が始まりました。講師は高畑勲監督。1回眼の今日は、「レッドタートル ある島の物語」のマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督が制作した「岸辺のふたり」を取り上げ、作品をじっくりと鑑賞。何がそこに描かれ、どんな表現をしているのか、質疑応答をしながらの講座となりました。
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10.8(土)

・開館前、トトロのニセ受付のお掃除中の鵜木さんに遭遇。
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<宙に浮いています>


10.9(日)

・特別な日をジブリ美術館で過ごしてくださるお客様も多く、「初めて来た時は5歳だったんですけど、今日で20歳になったんです!」とお話してくださった方がいらっしゃり、15年前ネコバスで働いていた菅野さんは、「一緒に遊んだ子かもしれないなぁ」と感慨深くなったのでした。


10.10(月)

・「飛行石だね~」と、ご家族とご覧になっていたお父さんが、後から一人で戻っていらして、「一つください」とプレゼント用に購入。何やら内緒にしているようだったので理由をお聞きすると、「娘が20年後とかに結婚する時がきたら渡そうと思って」と、思ってもみなかった答えが返ってきました。「タイムカプセルみたいですね」と、ラッピングに力が入る佐藤さんなのでした。


10.11(火)

・笠屋にもついにめずらしいお客さんがきました。ぜひお入りいただきたかったのですが、この跡きびすを返してお帰りになってしまいました。残念。
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<すきまにヤモリ>


10.12(水)

・休憩の時に向かい側に座っていた関根くんが、ラップに包まれたごはんの塊を振ってみたり、ろくろを回すようにこねくり回していました。何をしているのか聞いてみると、おにぎりを握っているつもりらしく、「おにぎりは、手を三角にして縦にぎゅっぎゅっ、とするといいんだよ」と伝授。「あっ!できた!」と、初めて上手に握れて喜んでいる姿がかわいかったです。


10.13(木)

・今週は出張中の館長。時差を気にせず送った仕事のメールもまめに返信してくれるのですが、その合間に現地の様子も送られてきます。食事や訪れた場所の写真がほとんどで、それを見た机さんが「楽しそうですね・・・」と返すと、「自分で撮ってるから仕事をしている姿は撮れないのです」との返事が。確かにそうだなぁと思いつつ、少しうらやましい広報チームなのでした。


10.14(金)

・ネットワーク大学での講座2回目。本日もマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督の「岸辺のふたり」を見ながら、演出にこめられた思いや、登場人物の心情の変化、死生観など、幅広い話題のもと、高畑監督が講座を行いました。
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10.15(土)

・今年も駅伝部が始動し始めました。練習記録表を作成して、昨年よりもタイム・順位をアップさせようと気合十分なのですが、暫く続いた雨の影響でなかなか思ったように練習ができないまま時間が過ぎ、やっと晴れたこの日は、すっかり秋になり涼しくなってしまいました。「このくらいがちょうど良い!」と気合の入る駅伝部員。間もなく迫ってきた仕事の終わりやお休みの日などの空いている時間を使い、日々練習に励んでいます。
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10.16(日)

・本日は井の頭公園西園にて「三鷹の森フェスタ2016」が開催されました。朝から好天に恵まれ、沢山のお客様にご来場いただきました。
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初参加のReiさん、ヒグチアイさん、優河さんとおおはた雄一さん、森恵さん、Schroeder-Headzが登場し、トンボの飛び交う秋の空の下、素敵な音楽を届けてくれました。

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今年2回目のアーティスト全員でのセッションも、夕焼けと重なり大成功。ご来場下さったみなさま、ありがとうございました。


10.17(月)

・先月から毎月スタッフ向けの上映会が開催されることになり、今月は「天空の城ラピュタ」。お休みのスタッフも多数参加しており、カフェの根津くんが颯爽と "パズー"になりきって現れました。ショップで販売している"パズー帽"をかぶり、私服を駆使して誰が見ても"パズー"そのもの。映画の楽しみ方は人それぞれ、来月は「となりの山田くん」。真似するにはなかなか難易度が高そうです。


10.18(火)

・笠屋に置いてある植物の植え替えを行う事になりました。机さんはいきもの係から園芸部に昇進(?)。
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新しい鉢で無事根付いてくれますように。


10.19(水)

・とても楽しそうな母子グループ。映画を観終えて「次はこの階段だー!」と最年長らしき男の子を先頭に、みんなで物見塔を上り始め、「僕はママが好きー!」と叫びました。すると「私は弟が好き!」「僕はお友達が好き!」「私はケーキ!」と、好きな人・ものを順番に発表。その声は中央ホール中に響いていて、お母さんたちは苦笑いしながらも嬉しそう。他のお客様はその微笑ましい様子をニコニコしながら見守っていました。


10.20(木)

・両手を床にくっつけて、不思議な格好で歩いている少年がいたので、「どうしたんだろう?」と見守っていると、「屋上の"ロボット兵"を真似してます」とお父さんが解説してくれました。少年の目には"ロボット兵"が動いている様子がありありと浮かんでいるのだそうで、その想像力に感心する阿部さんなのでした。


10.21(金)

・ネットワーク大学文化講座の三回目が行われました。今回は、1943年に公開された政岡憲三監督「くもとちゅうりっぷ」を鑑賞。高畑監督が、受講生の皆さんに現代のアニメーションとどう違うのかを聞いていきながら、監督の政岡憲三さんのことや、制作当時の時代背景など、様々な視点から作品を読み解く講座となりました。
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10.22(土)

・閉館後、パティオからカンッ!カンッ!と音がするので行ってみると、そこには薪割りをする山本くんの姿がありました。開館中にお客様の前で披露したいので、薪割りの練習をしていたそうです。もともと薪割り名人の山本くんは完璧な薪割りを披露すべく、さらに腕に磨きをかけていました。「うまく割るのにはコツがあってね~」と話をしながらも順調に薪を割っています。お客様の前で披露できる日がもうすぐやってきそうです。


10.23(日)

・なんだか落ち着かない様子の二宮さん。「なんかそわそわしてます?」と松島さん、「いつもに増して、そわそわしてる?」と石光さんに聞かれ、「してますよー!もうすぐ本番だから...」と随分緊張している様子。どうやらこの後、ひさしぶりにトライホークスで子ども達にむけて読み聞かせをするそうです。「もう1回だけ...」と最後の1回を事務所でひっそり練習していました。はたしてその成果は...。
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10.24(月)

・元学芸の三好さんが打ち合せのために美術館に来ることになり、なんとなくそわそわと待ち構えていたスタッフ。久しぶりの三好さんは、新天地でも忙しく働いているようですが、相変わらず調子にほっとしたのでした。


10.25(火)

・手芸経験があまりない森田くんが、"自分で作るマスコットキット"で、「お客様にちゃんとご案内したいから!」と夜な夜な"大トトロ"を作り、見事に出来上がりました。こっそりエプロンのポケットに忍ばせて、みんなに自慢したりしています。


10.26(水)

・美術館に遊びにいらしたとあるご家族。みんなで楽しそうに展示を見ていると、急に娘さんが「パパがいない!」と叫びました。パパを探しにみんなで大捜索した結果、なんと同じ部屋の隅の方でじーっと展示を見つめていました。「もう!いなくならないでよ!」と言われたパパは「だってこれすごくない?!」と目をキラキラさせて答えていました。まるで少年のような姿に、娘さんとお母さんも笑ってしまい許してしまうのでした。


10.27(木)

・各所でクリスマスの準備が始まっています。笠屋でも空き時間を利用してお手伝い。「あ、うまくいった」「端っこがなぁ・・・」「あ・・・!」などの独り言が飛び交うものの、作業に集中しなくてはと思い、心の中で「その気持ちわかります!」と同意するに留めるのでした。


10.28(金)

・本日は、ネットワーク大学の講座の最終回。今回は高畑監督と共に特別講師のなみきたかしさんも登壇し、政岡憲三という作家が生まれた時代背景や、技術、人となりなど、貴重な資料を交えて解説してくださいました。
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10.29(土)

・映像展示室で研修中だった三橋さん。研修の前日はなかなか寝付けず、緊張しながらも前説をなんとか笑顔でやりきりホッとして映画も終わりのお客様を送り出していると、海外から来たファミリーに「アリガトウ!」と手を振られました。うれしくて手を振りかえすと、3歳くらいの男の子が投げキッス!ガチガチだった三橋さんも緊張が解けたようで、その後自然な笑顔で一日を乗り切ることができました。


10.30(日)

・カフェでお食事をされた小学生くらいの女の子とお母さん。お会計の時に、旗セットをご購入してくださることに。お釣りをお渡しする前に、「旗セットを先にいただいていいですか?」とささっとお鞄にしまわれました。お話してみると、娘さんに内緒でこっそり購入していたようで、何かのときにお家で使うとのこと。娘さんが喜んでくれるといいな~と想像を巡らすスタッフでした。


10.31(月)

・本日、2階の北側廊下のレッドタートル ある島の物語」展の最終日。ご覧になったお客様の反応や、感想、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督が実際に見に来て、壁に絵とサインをしてくださったりと、色々な思い出が蘇る1日でした。

メンテナンス休館のお知らせ

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2016年11月7日(月)~11日(金)まで、ジブリ美術館はメンテナンス休館となります。

次の開館日は2016年11月12日(土)からです。

どうそよろしくお願いいたします。

11月

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11.1(火)

・事務所にくまやの野村さんがやってきました。久しぶりの登場に喜ぶスタッフに囲まれたものの、時間がなかったようで、「アイラブユー!アイラブユー!」とみんなに愛を伝えながら、嵐のように去っていく姿を見て、変わらない野村さんに松島さんは安心感を覚えたそうです。


11.2(水)

・クリスマスに向けて着々と準備が進んでいますが、今日はみんなで "あるもの"を作る第一回目の日。腕に覚えありの人もそうじゃない人も休憩室に集って、おしゃべりに花を咲かせながら手を動かしています。なかなか部署を超えてゆっくり話す機会がないので、「えぇ~!○○さんって、B型だったんだ!」や、「意外と手が器用なんだね」など、長い付き合いでも知らないことがたくさんあることに驚きながら、お互いの作っているものを褒め合いながら、和気藹々とした雰囲気で作業は進んでいくのでした。
今年のクリスマス装飾は11月30日からです。どうぞお楽しみに。


11.3(木)

・井の頭公園の木々も少しずつ色づいてきています。
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11.4(金)

・今月から、土星座の短編映画が、「コロの大さんぽ」になりました。映画を見終わった子どもたちがショップにやってくると、「"コロ"だ~!!」と、ぬいぐるみに飛びついている姿がとてもかわいいのですが、「これください。」とぬいぐるみをレジに持ってきた男の子に「映画が面白かったから、"コロ"買ってもらうの?」と尋ねると、「映画も面白かったけど、うちの犬に似てるんだ!」と、"コロ"そっくりの犬を飼っているそう。今日は留守番している"コロ"似の犬が、大さんぽに行ってしまっていないかちょっと心配になっていましたが、「早く一緒に遊ばせたい!」と喜んでいました。


11.5(土)

・風邪をひいてしまった郎さん。事務所にやってきた吾朗さんが、マスクにいたずら描きをしてくれ(?)ました。
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<されるがままの郎さん>


11.6(日)

・今年のクリスマス用の"あるもの"が、全部で200個以上必要ということが判明。現場以外の各所の有志に手の空いた時に作業を頼んでいるのですが、笠屋の広報チームも「やります!」と快く引き受けてくれ、水を得た魚のように作業を進めてくれているようです。


11.7(月)

・本日からメンテナンス休館。館内では展示、施設のメンテナンスがあちこちで行われています。天候にも恵まれて順調に進んでいます。
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<捨てられている訳ではありません、修理をしています。>


11.8(火)

・休館を利用して、社員旅行に行ってきました。行き先は熊野古道。移動時間が6時間ということで、朝早くに集合し、移動中は昼食に加えお菓子セットも配られ、楽しい移動の時間となりました。到着後は全員で熊野速玉大社へ。あいにくの雨でしたが、「禊ができた!」と前向きな意見もあり、思い思いにお参りをしたのでした。


11.9(水)

・社員旅行2日目。昨日と打って変わっての快晴です。
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今日はオプションのコースに分かれ、熊野那智大社や串本海中公園に出かけていきました。夕食時には、それぞれの感想が飛び交い、コース以外にも、海での釣りやドライブ、呼ばれないといけないという神社に行ってきたという人もいて、それぞれ熊野の地を堪能したようです。


11.10(木)

・社員旅行最終日。今日は熊野本宮大社を訪れました。かつて本宮大社があった大斎原の大きな鳥居に圧倒され、その歴史に思いをはせながら熊野川のほとりを歩き、無事帰路につきました。
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11.11(金)

・カフェでは、この日はお花の活け込みの日。お花屋さんが持ってきてくださったのはフウセントウワタ(風船唐綿)というお花。お花といっても、風船のように膨らんだ果実がまるでハリセンボンのようなユニークな植物。熟すと果実が割れて綿毛のついた種が出てくるので、変化も楽しめるお花です。
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<早速割れました>
 

11.12(土)

・ショップで、オリジナルの食器12ヶ月のプレートをご覧になったお客様が、「真ん中に、日付が描いてある!」と、興奮しており、「私、この日が誕生日なんです!」と、自分のために作られた食器があると喜んでくださいました。宮崎館主がデザインした、12ヶ月の月ごとの"トトロ"が描かれており、真ん中に11月と12月の"トトロ"がいるのですが、年に一度だけの特別な日にこのプレートに出会っていただけた事が嬉しかったです。


11.13(日)

・「歯が抜けた!」と大騒ぎの男の子。見せて見せてとお友達3人と一緒にスタッフも見に行くと前歯が綺麗に抜けていました。「大事な歯落とさないようにね」と声をかけると、突然お友達3人がみんなでイーっと歯を見せてくれました。「僕たちも歯ないんだ~、仲間入りだね」と言いながら、にひひと笑う姿は周りを和ます笑顔でした。


11.14(月)

・土笛を首から提げてやってきた女の子が、「今日は土笛の上手なお兄さんはいないんですか?」と、日下くんを訪ねてやってきました。残念ながらお休みだったので伝言をお聞きしたところ、「"きらきらぼし"が吹けるようになりました」と嬉しい報告がありました。次の日、本人に伝えると、「きっとあの子だな!」と、自分も負けじと練習を始め、また会える日を心待ちにしているようです。


11.15(火)

・メンテナンス休館明けから、地下1階の常設展示室「動きはじめの部屋」のびっくり劇場が新しくなりました。以前の"ステッピングモーター式ゾートロープ"から"ジェネバ機構式人力発電ゾートロープ"に変わり、ハンドルを回すことで生まれる電気で動きます。ぜひいらした際は回してみてください。


11.16(水)

・メンテナンス休館が明けてから、例の"あるもの"を作る作業が急ピッチで進められています。今日は新しい形を作ったのですが、初参戦の鵜木さんがとても上手に作ってくれました。「先生!ここはどうやるんですか?」と、密かに目を付けている人たちが"先生"に昇格していくので、その場を仕切っている菅野さんは、鬼軍曹と呼ばれながらもしめしめとほくそ笑んでいます。
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11.17(木)

・「社員旅行での石光さんは『食う、寝る、遊ぶ、ネコ』。次の日『食う、寝る、遊ぶ、ネコ』。いいよなぁ・・・」。久々に現われた事務所で石光さんを目の前につぶやく幹事深谷さんなのでした。


11.18(金)

・あまりに皆が"あるもの"を作っているので、館長も制作に参加することに。「あれ、これサイズ違わない?合わないよ?」「手元が見えない・・・」と苦戦しながらも綺麗な一点を作ってくたので、どこに置こうか考え中です。


11.19(土)

・映画の上映が始まる少し前にトイレに行きたくなってしまった6、7歳の男の子が走って戻ってきました。ズボンのボタンを締め忘れたようでホワイエで男の子のズボンがスルッと下がってしまい、そこに居合わせた中村くんが「ズボン下がっちゃってるよ!」と声をかけたのですが、焦る男の子には届かず...。お父さんにも「さすがにズボンは履こう!」言われ無事にズボンを履き、上映に間に合ってほっとした表情でした。


11.20(日)

・第25回三鷹市民駅伝大会が開催されました。今回参加したのは、森田くん、豊村さん、福島さん、梨子木くん、関根くん、大塚さん、田中くんに、初参加は学生時代に陸上をやっていた運営の三橋さん。
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今年はベテラン勢が体調不良や緊張に見舞われ、どうなるかとハラハラしながらサポートメンバーが見守る中、スタートを切りましたが、結果は男子26位、女子6位と、去年よりも順位が上昇!
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サポートで参加した小林さんのハイライトは、ベテランアンカーのゆるぎなさと、今年からキャプテンを襲名し、走る前から「まず応援に来てくれたみなさんへ、一言お礼をいいたいです」と挨拶をのべた関根くんだそうです。
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応援して下さったみなさま、ありがとうございました。


11.21(月)

・トトロ受付前の木々もだいぶ綺麗に赤く色づいてきました。常緑樹の緑と空の青とモミジの赤。寒い日が続いていますが、自然の美しさに心温まるスタッフなのでした。
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11.22(火)

・今日は休館日を利用したサンクンテラスへのツリー搬入日。大きなモミの木でしたが、あっという間に移動終了。装飾は一週間後です。


11.23(水)

・今年も落ち葉隊が始動しました。新入社員たちは田中先輩指導の下、懸命に落ち葉掃きをしています。「こんなにたくさんの葉たちが、夏は日陰をつくってくれて、秋には綺麗な紅葉を見せてくれていたんだな」と思いながらする落ち葉掃きは気持ち良く、とても有意義な時間です。


11.24(木)

・54年ぶりという11月の雪。ジブリ美術館の周りでは、赤や黄色に紅葉する葉の上に降り積もる雪はなんとも言えない美しさとなりました。「こんな日に来れるなんて、とっても貴重な体験です!」と一段と冷える外でも笑顔で楽しんでいらっしゃる姿があちこちで見られました。
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11.25(金)

・昨日、運営の磯部さんの送別会が行われました。2001年の美術館の開館直後からのメンバーで、みんなのお母さんのような存在。送別会ではフラダンスの出し物があったり、感謝の手紙が読まれたりと、大いに賑わい、最後には磯部さんと握手をするための列ができるほどでした。15年間、ありがとうございました。
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11.26(土)

・クリスマスの装飾開始までカウントダウンの毎日。地下1F担当の菅井さんと斉藤昌哉さんは、地下にこもって作業しているので、当日までどんな装飾になるのか全くわかりません。一見おとなしそうに見えて人を驚かせるのが大好きな菅井さんが、「今年も楽しみにしててね!」とニコニコ話してくれたので、期待が膨らみます。クリスマス班のみんなの顔が徐々に真剣みを増していく中、お客様が笑顔になってくださることを思って毎夜作業は進んでいくのです。


11.27(日)

・田島くんが一生懸命作った小さな小屋(通称タジ-ズハウス)。製作中は木材をカットするのに悪戦苦闘していましたが、見事に小屋を完成させました。素敵な色に変身を遂げて、ついにパティオに飾られました。薪の中に小屋、小屋の中に植木鉢が、すっかりパティオに溶け込んでいる様子に満足げな田島くんでした。


11.28(月)

・閉館後、明日のクリスマス装飾本番に向けてさっそく準備が始まりました。
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11.29(火)

・いよいよクリスマス装飾作業の当日。お天気に恵まれ、15年分のボールがお日様の光を反射してキラキラきれいです。
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今年は、15年間の感謝の気持ちを伝えるために、スタッフみんなで"あるもの"="トランスパレント"を制作しました。日中は館内に差し込む光から、日が落ちてからは館内から外にこぼれる明かりで窓辺に色を添えています。
無事に装飾が終わり、準備段階からみんなで作り上げることができた達成感にあふれていました。
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11.30(水)

・クリスマス仕様となった初日の夕方、サンクンテラスにあるツリーの点灯式を行いました。今年はスタッフが「きよしこの夜」を歌ってお客様をお出迎え。その後一緒に歌い、カウントダウンをしてから点灯しました。いつも以上に、同じ空間で同じ時を迎えられ、感謝の気持ちでいっぱいになるスタッフなのでした。
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ジブリ美術館のクリスマス

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公園の柔らかな緑に守られ、ジブリの森のクリスマスも今年で16回目。
公園の木々の中を進んでいくと突如姿を現すカラフルな建物は、たくさんの子どもたちの期待と笑い声に包まれてきました。

年が経つにつれて、次第にツタに覆われ周辺の木々も少しずつ大きくなり、ゆっくりと時を重ねた建物は、より一層自然になじんできた気がします。

今回は、木の実や松ぼっくりなどを使い森の恵みをイメージした緑豊かな装飾と、トランスパレントという半透明の折り紙を館内の色々なところに飾っています。トランスパレントとは、北欧やドイツなどで使われる"透明な""透き通る"という意味の窓辺の装飾で、長い冬につかの間の太陽の光を喜び、その恩恵を楽しむために生まれたものです。重なることで初めて現れる色や形は、思いもよらぬ発見の喜びとささやかな彩りを私達に添えてくれます。

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みなさまと一緒に過ごしてきた時間と自然の豊かさに感謝し、今年のクリスマスも楽しくにぎやかに彩ります。

一年の締めくくりとして特別なクリスマスのひと時を、ジブリの森でお楽しみください。

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アニメーションに関する調査研究活動をサポートします

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三鷹の森ジブリ美術館を運営する徳間記念アニメーション文化財団では、アニメーション文化の調査研究に取り組む若手研究者の育成と、その研究活動に対して助成することを目的に、「アニメーション文化調査研究活動助成制度」を実施しています。
今年度も、平成29年1月31日を申込期限として、助成対象研究者を募集します。

詳しくは、下記のPDFファイルをご覧ください。
平成28年度アニメーション文化調査研究活動助成制度について.pdf(141KB)
平成28年度助成申請書.pdf(135KB)


また、今回の募集にあたり、ご応募予定の方に向けて説明会を実施します。<申請書の書き方>をはじめ、<調査研究テーマの選び方>、<調査研究計画の立て方>などを事務局員から説明します。
申請上のアドバイスを受けることもできますので、ぜひ奮ってご参加ください。

日時: 平成29年1月14日(土) 13:30~14:30
場所: 三鷹ネットワーク大学 (三鷹駅 徒歩1分)
    三鷹市下連雀3-24-3 三鷹駅前共同ビル3階
    ※説明会に参加できなくても助成制度にご応募は可能です。


なお、参考のために、過去に助成をした研究成果の中から、下記2つの成果を掲載します。

平成16年度研究成果「1928-45年におけるアニメーションの言説調査および分析」佐野明子.pdf(2023KB)

平成18年度研究成果「漫画のアニメーション化における一考察」桑原圭裕.pdf(669KB)

大学や研究機関等、あるいはフリーで研究活動をされている方のご応募をお待ちしています。

本件へのご質問は、
PDFファイル「平成28年度アニメーション文化調査研究活動助成制度について」に記載のお問い合わせ先にお願いします。


GIORNALE DEL MAMMA AIUTO! 【トトロ はりこーシカ】~マンマユート便り vol.14

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12月になりました。この季節、美術館の周りの落ち葉は大豊作。集めても集めても降ってくる落ち葉に、豊かな自然に囲まれていることを実感します。 もうすぐ美術館が開館して16回目のクリスマス。今年もスタッフによる手作りの装飾で、館内が賑やかになっています。"トランスパレント"という半透明の折り紙や、色とりどりのプレゼントボックスなど...試行錯誤しながら皆で心をこめて準備しましたので隅々まで見て楽しんで頂けたら嬉しいです。 ショップの天井から下がっているアンティークランプにも、井の頭公園の森を意識した緑の飾りが施されて素敵に変身しています。 新商品も出ていますので、一年の締めくくりに、素敵な一時をお過ごしください。




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ささやかな幸せを願い、福を呼ぶ張り子細工―――【トトロ はりこーシカ】

日本の伝統的な民芸品である張り子。
紙を重ね合わせて作る素朴な人形で、お祝いやお守り、縁起担ぎの品として、古くから親しまれてきました。
このたび、そんな張り子細工とトトロとのご縁がつながりました。
しかもすべてが大トトロの中に入ってしまうではありませんか!
もしかしてこれはマトリョーシカ......?

今回は、張り子とマトリョーシカ、そしてトトロ----
多くの縁をひとつに結んで生まれた[はりこーシカ]の
ふるさとを訪ねてみました。

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▲トトロ[はりこーシカ]...¥5,500(税別)



だるまの伝統から生まれた[はりこーシカ]

[はりこーシカ]とは、張り子細工の製作会社、アクティ大門屋さんが考案したオリジナル商品です。
その[はりこーシカ]の作り手を訪ねて、群馬県高崎市の本社におじゃましました。

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▲(左)深澤浩昭さん:アクティ大門屋株式会社・東日本営業統括マネージャー。(右)本島裕美さん:同社のクリエイターで、[はりこーシカ]のデザイン、製作を手がける

高崎といえば、だるまで有名なイメージがありますね。

深澤  はい、高崎は古くからだるま作りが盛んで、その生産量は
日本一としても知られています。
農家の冬の副業としてはじまったと言われていますので全国各地で生産されていますが、
高崎のように50数軒の作り手が残っているところは少なくなりました。

アクティ大門屋さんも、最初はだるま屋さんだった、とうかがいました。
社内にもだるまはもちろん、たくさんの張り子が並んでいますね。
眺めているだけで喜ばしいような、なんだかおめでたい気分になります(笑)。

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▲アクティ大門屋さんのだるま、そして2017年の干支も製作中でした

深澤  ありがとうございます、縁起物屋をやっております(笑)。
だるま自体が幸せを願う心が形になった縁起物ですが、
うちはだるまを中心に扱う会社だったのを
社長が早い段階でそれ以外の張り子...、さまざまな縁起物の開発にシフトしたんです。

だるま屋さんから、縁起物の張り子屋さんへと転換されたわけですね。
そののち生みだされた[はりこーシカ]というのは、こちらのオリジナル商品ですか?

深澤  はい、そうです。張り子は中が空洞ですが、
そのことが発想の原点になりました。
ふとマトリョーシカとの掛け合わせを思いついて、
〝張り子のマトリョーシカ〟だから[はりこーシカ]なんです。

なるほど。一説にはマトリョーシカも子孫繁栄の意味があるとか。
縁起のよさも倍ですね。

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▲館内の常設展示室、とある棚にもマトリョーシカが

本島  マトリョーシカには、日本の入れ子のこけしがロシアに伝わって生まれたという説がありますから、
ぐるっと回って帰ってきた感じでしょうか(笑)。

マトリョーシカは同じ顔が次々でてくるのが、
親子がどことなく似ているのと同じようでユーモラスですね。
トトロとのご縁も重なり、ますます頬がゆるむ組み合わせです(笑)。

深澤  さらに幸せを運んでくれそうですよね(笑)。
我々とジブリ美術館さんとのご縁は、鯉のぼりの[はりこーシカ]をたまたま見つけていただいたのがきっかけでしたね。
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そうでした。でも筒状の鯉のぼりとはちがい
耳やしっぽなどの凹凸があるトトロの形を入れ子形式にするのは、難しい注文ではありませんでしたか?

本島  たしかに普通の入れ子のものは、
形をあまり複雑には作れないようにみえますよね。
でも〝耳や手の凹凸をつけながらもちゃんと収まる〟というのを、
いつかチャレンジしたいとずっと思っていたんです。
作業的にはちょっと大変なんですが、モチーフがトトロだしどうしてもやりたい、と(笑)。
でもやってみたらトトロの形はひっかかりもなく、ちょうど良かったです。

すっぽりと張り子が順番におさまっていますね。
ところで、内部を空洞にするのはどのような技法なのでしょうか?

深澤  トトロの[はりこーシカ]も基本的にはだるまと同じ技術でつくっているんです。
だるまの型をつくる製法の応用で、さまざまな形の張り子をつくっています。

そうなのですね。だるまはどのようにつくられるのでしょうか?

深澤  現在は少し違うのですが、むかしはだるまの木型をつくり、
その外側に張った紙を乾かして型をつくっていました。
背中を割って外側をとりだして、切れ目をニカワで貼りあわせるんです。
型ができたらニカワと胡粉(ごふん=貝の粉)を混ぜたもので全体を白く塗り、
それから赤い色をつけたり顔や装飾を描いていきます。
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▲骨董品的な風格のあるだるまの木型。その背中には表面に張った紙を割る際の刃物の跡があり使い込まれていました

深澤  ただ現在では木型に紙を張る製法ではなく、まったく異なる製法でつくられています。
昔はすべての工程を各だるま屋さんがやっていましたが、いまでは分業が普通なんです。
うちも型づくりは、ここから少し離れた別の工場にお願いしています。
これからご案内しましょう。


トトロに活かされるだるまの伝統:作り方その1

張り子の型づくりの作業を見せてもらいに、
お隣の富岡市にある、福澤だるま成型さんの工場に伺いました。
工場内にあるいくつもの水槽の水の中に、木の箱が沈められています。
いったいどんな作業をしているのでしょうか...?
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深澤  先ほど少しお話しましたように、現在では型づくりは木型不要の製法でつくっています。
おそらく昭和40~50年ころから主流になった製法で、《真空成形法》というものです。
簡単に言うと、立体に作った金網の中に、水に溶かした紙の原料を流し入れ、空気だけ吸い出すんです。

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福澤だるま成型の福澤さんは、この道30年という大ベテランです。
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▲張り子の成形を手がける福澤薫さん。20代のころに張り子作りを修行し、農業から成形業へと転換。以後、30年以上にわたり高崎の張り子作りを支えてこられた

――寒くないですか。水が冷たそうですね。

福澤  水だから冬はどうしてもね。夏はいいんだけど。冬はお湯をたいて、手を温める程度で一年中やってるよ。
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先ほど、高崎はだるまの生産量が日本でいちばん多いとお聞きしました。
年間どのくらいつくっているのですか?

福澤  年間かい? ちっちゃい張り子だけだと5万個くらいかなあ...?
うーん、大きいだるまもあるし、
そうだねえ、高崎のだるまのだいたい3〜4割かなあ(笑)。

すごいですね。日本のだるま産業の一部を支えてるといっても過言ではない...!
やはりだるま市が近づくと忙しくなるのですか?

福澤  いちばん忙しいのはこれからだよねぇ、11月、12月。
この時期からだんだん大きいだるまを作るからね。

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▲水槽から型を引き上げると、トトロの形があらわれた

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▲型からはずし、合わせ目を福澤さんがひとつひとつ均す

福澤  紙の厚みを均等にするのがポイントかな。
だるまの場合は外側から見るだけだから多少厚ぼったくても関係ないけれど、
これ(※[はりこーシカ])の場合は中にものが入るから、薄めにしないとね。

厚みはどうやって調整するんですか?

福澤  ポンプで原料を吸い上げる時間を変えて調整してるんだよ。
時間をかければ厚くなるし、早めに止めれば薄くできるわけだね。
でも吸い上げた直後は柔らかいし、型からはずしたときに自分の重みで崩れてしまわない、
ぎりぎりの厚みは必要になるね。

その力加減は、職人のカンなのですね...。

福澤  だいたい手でわかるね。
でもこれはだめだとなったらまた撹拌機に入れちゃう。
水に溶かした紙だから、再生がきくからね(笑)。

(一同笑)だるまづくりの技術が受け継がれて、
[はりこーシカ]につながり、そしてトトロが出会えたのも、だるまがつなぐご縁ですね。
これからの季節、水仕事は大変でしょうけど、どうかよろしくお願いします。

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▲ビニールハウスの中で三日ほど乾燥させる(冬場は一週間くらい)。こうして乾いたものがアクティ大門屋さんへと運ばれ仕上げられる


黙々と大量の形作りを30年も地道に続けてこられた福澤さん。
最後に、どんなときにやりがいを感じていらっしゃるかお尋ねしたところ
「そりゃあ、お祭りや市で自分が作っただるまを見ると、やっぱり嬉しくなるよ!」と豪快に笑ってくださいました。


和紙を重ねていのちを吹きこむ:作り方その2

水の中で型どられたあと、北関東のからっ風に吹かれ
陽にあたりすっかり乾いたトトロたちは、
本島さんのもとへと運ばれ、仕上げ作業が行なわれます。

和紙の色選びから一枚ずつ張り重ねる作業、
そして絵の具による繊細な表情づけ...
すべての工程が本島さんの手によるものですが、そのていねいな仕事は、
まるでトトロたちにいのちを吹きこんでいるかのようです。

本島さんがデザイン・原型を担当されただけでなく、
仕上げまで全部手でなさると聞いて驚きました。
その作業を見せていただく前にお尋ねしたいのですが、最初にこの企画をきいてどう思われましたか?

本島  そうですね...うまく言えないのですが、
トトロには、ふわふわした、なんだかさわりたくなる温かみを感じていました。
やはり張り子は手に持ってもらいたい玩具なので、
手にしたときの優しいぬくもりが、トトロの雰囲気と個性にすごく合うと思ったんです。
トトロのシルエットといい世界観といい、
張り子の持ち味にもってこい、というか...。

たしかに手にしたときにふわ、っとして、温かみと優しさを感じます。

本島  はい。張り子は〝温かみのある形〟になってしまうので、
シャープなものには向きません。
そして、「絶対にぴったりだ!」と思うのと同時に、
なんだかたいへん光栄な気持ちになりました。

特に苦労された点はどんなところでした?

本島  苦労の連続でした(笑)。
最初は何度も関連書籍を読み返してスケッチを描くところから始めました。
平面のものを立体にする作業が大変で...。
何回もスケッチを描きなおして、やっと原型のOKをいただきました。

何度も修正をお願いしてしまって...。

本島  はい(笑)。でも絵付けのラインに訂正が入ると
ぐっとトトロの顔が変わり、「あぁなるほどそういうことか!」と、
すっと腑に落ちるんです。おかげで何がちがうのか理解できるようになりました。

そうなんですね。和紙の仕上げは本島さんのアイデアですか?

本島  はい、これは《和紙張り》だな、とすぐに思いました。
うちでは《塗り》の張り子がほとんどなのですが、
トトロは絶対に《和紙張り》でいきたい、と思ったんです。

(※和紙の紙漉きについてご紹介した、バックナンバーGIORNALE DEL MAMMA AIUTO! 【和紙っこ クロスケシール】~マンマユート便り vol.9もあわせてお楽しみください)

それではそのぬくもりを生む《和紙張り》の工程をみせていただきましょう。

1:和紙を選びます。
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▲「トトロの色は、最初に近い色を選んで、いつも仕入れている和紙屋さんに相談しオリジナルで作ってもらいました。素材感が良く、柔らかい感じで。」

2:和紙を張るための糊は米粉を使用します。
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▲「これで米粉パンとかフォーなどを作れるんですよ。防腐剤入りの糊と違い手への負担がないので、素手で作業します」

3:和紙に糊を浸透させ、伸ばしながら曲面に張ります。
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▲「和紙の両面に糊をつけて重ねていきます。しばらく置いておくと糊の水分で和紙の繊維が柔らかくなり、同時に伸びが可能になる為、曲面にしわが出にくく張りやすくなるのです」

4:お腹の白い部分を張ります。
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▲「お腹の形の型紙に合わせてちぎります。そしてすでにできている体に張って乾かします」

5:目や模様に筆を入れていきます。
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▲「和紙なので絵具を吸い込むとムラが出てラインがでこぼこになりやすいので、細かい輪郭は筆で修正します」

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▲「歯を描くのは最後の楽しみですね(笑)。『トトロになった〜』という感じがすごくするので」

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▲完成~!!




ぬくもりを手から手へ...張り子は幸せを運ぶツール

和紙をていねいに張るところから、
筆の線一本まで、本島さんの愛情にあふれていますね。

本島  それは、ほんとうに心から込めています。
ひとつひとつ、和紙を張るとか、筆入れにしても。
作業工程が多いので、時間はかかってしまっているんですが......。

一体一体の作業をお一人でされているのに驚きました。

本島  そうですね。つくるのは大変ですけれど、
気持ち的にはすごく楽しくやらせてもらってます。
個人的にはジブリ作品の中ではトトロがいちばん気持ちが入り込める映画だったので、
なんだか言い表せない縁を感じているんです。
出来あがって詰め込むときは「かわいいなぁ」って嬉しくて(笑)。
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最後に全体をふさぐフタをどうしようかご相談して、
悩ませてしまったかもしれません。

本島  [はりこーシカ]の底にフタをする方法は、
じつは最初からずっと気になっていました。
迷いを抱えてもんもんと悩んでいたら
隣の席でウェブサイトを担当している竹内さんが、
「座布団がいいんじゃない?」と、良いアドバイスをくれまして。
「座布団か!」と思って試してみるとぴったり。
ジブリ美術館さんに一か八か提案させていただいたのを聞き入れてもらえたときは、嬉しかったですね。

あの座布団は、なるほど!と思いました。
座布団なら『となりのトトロ』の世界観にもあいますし、台座としても飾れますね。

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本島  張り子作業は一人ですが、その前の段階ではいつも一人じゃなくて、
たくさん相談してアイデアをしぼり出しながらやっています。
この会社自体、だるまがなかったらありませんが、
うちの社長は、いつも貪欲にたくさんの良い縁を見つけてくるんです。
私たちもほんとうに〝縁〟をすごく感じながら仕事をさせてもらっています。

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▲本島さんの席(※手前)と、お隣の席の竹内さん

そうなんですね。今回お話をお伺いして、
[トトロ はりこーシカ]はたくさんの人との出会いとつながりによって生まれた
縁起ものらしい、幸せな商品なんだと感じました。

本島  みんな笑顔になりますから。ぱっと見た瞬間にひと目で...。
なにかがお客さんにも伝わるのかなあ、そうだといいなぁ...、と思うんですよ。

出来あがりをみると「かわいい」と、自然に笑顔になりますね。
今日はなんだか〝だるまの町〟に呼ばれたような気もしました。
貴重な時間をほんとうにありがとうございました。


張り子とマトリョーシカ、そしてトトロ......
それぞれを手がける人たちの思いが結びつき、
三つもご縁が重なって生まれた[トトロ はりこーシカ]。

だれかに幸せになってもらいたい、と願い作られたそれぞれの思いが、
嬉しい暖かいおくりものに感じられました。

(2016年10月、群馬県高崎市、アクティ大門屋にて収録)




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今回ご紹介するのは、企画展示『猫バスにのって ジブリの森へ』にちなんだ商品です。

『猫バスにのって ジブリの森へ』グッズ ... リングノート600円(税別) オリジナルポストカード150円(税別) メモ帳450円(税別) クリアファイル300円(税別) ジグソーパズル1,800円(税別)

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ジブリ美術館の企画展示『猫バスにのって ジブリの森へ』のために描かれた宮崎駿監督の水彩画が、かわいらしい文房具とパズルになりました。絵の中のネコバスたちは、お客さんをたくさん乗せて美術館へとやってきます。ノートやメモ帳は中にも挿し絵が入っているのでうきうき楽しい気分で使っていただけそうです。美術館の展示を堪能したあとは、ぜひショップで思い出の一品を見つけてみてください。

『猫バスにのって ジブリの森へ』 マスコット2種  ... 各740円(税別)

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こちらのマスコットも、『猫バスにのって ジブリの森へ』のポスター画の中に登場します。どこにいるか見つかりましたか?何やら袋を担いでぞろぞろと美術館に遊びにきているようです。マスコットの小さな袋の紐をほどくと、ドングリサイズのモノでしたら中に収納できるようになっています。形は二種類あるので、どちらにするかお気に入りを選んでいただけます。

「KAMON」ピンバッジセット3種  ... 各1,000円(税別)

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こちらは企画展示の商品ではありませんが、新しくオリジナルのピンバッジが登場したのでご紹介します。かわいらしいデザインは、日本の家紋をモチーフにしたもの。文字や色合いが少しレトロな雰囲気で、一味違うバッジになりました。トトロやカオナシ、ポニョなど、色々な作品からキャラクターが揃っているのも魅力のひとつ。3つセットで三種類ありますので、お好みで付け替えていただけます。

※商品は品切れの場合がありますので予めご了承ください。

12月

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12.1(木)

・先日のクリスマス装飾作業の日、お休みの根津くんがわざわざ差し入れに来てくれていたそうです。吉祥寺で有名なメンチカツや肉団子・焼豚など、なぜか肉肉しいラインナップでしたが、おかげで作業するスタッフはパワー満点で乗り切れたそうです。


12.2(金)

・館内はクリスマス装飾に彩られ、トライホークスではパン種とタマゴ姫もクリスマス仕様に変身していました。赤がよくお似合いです。
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12.3(土)

・今日のお昼ごはんは唐揚げ弁当の西川さん。いざ食べようとしたところ無線で呼ばれて席を外すと、なにやら郎さんが怪しい動きをし始めました。なんと西川さんの唐揚げ弁当の中に、本物そっくりの食品サンプルの「唐揚げ」をしのばせました。「この前もやったんだけど、にっぴは全然気づかなくて、マヨネーズかけて食べたんだよ...」と悪い顔をする郎さん。さすがに二度目は気付くでしょーと言いつつ、皆で西川さんの帰りを待ち詫びます。そして期待を裏切らない西川さんは、何も疑うことなくぱくっと食べ、言葉にならない悲鳴を上げていました。
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<二度あることは...三度ある?>


12.4(日)

・カフェは、今回久しぶりに中庭に電飾を置くことなり、木村くんを中心に丸山くん、根津くんがDIYでサンキライの蔓でできたボールに電飾を巻いてくれました。家電が好きなだけあり木村くんのボールが一番きれいに巻けていたそうです。

本棚より<季刊トライホークス 2016年46号>

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世の中にはいろいろな本があります。古今東西、恋物語もあれば、冒険物語もあり、たくさんある本の中から、トライホークスに置かれているおすすめの本を紹介します。トライホークスの本棚の中の一冊から、みなさんの本棚の一冊にしていただけたら嬉しいです。


sato46.gif今森光彦フィールドノート 里山  
著者...今森光彦 福音館書店 2,800円(税抜)

 昆虫写真などで知られる写真家の今森光彦さんは、長年にわたりご自身がアトリエを構える琵琶湖西部の里山で、生きものの営みを見つめてきました。ここで言う「里山」とは、人の入らない深淵な森のような場所ではなく、田畑や小川、雑木林など、人間の生活のすぐとなりにある空間のことです。この本には、今森さんの15年間の活動をおさめた写真が満載です。
 季節によって姿を変える里山の風景、そこに住んでいる動植物、とりわけ春を過ぎて現れる昆虫たちの写真はとても美しく、興味深い姿をしています。秋の終わりの落ち葉の世界には、ひっそりと珍しいキノコが誕生しています。一番心を惹かれたのは、その地域に根付いている習わしでした。あぜ道や小山の頂上で見かけられる多くの個性的な「野仏」たちをまとめた〝野仏マップ〞、お盆にご先祖様を迎える〝おしょらいさん〞やお米の害となる虫を追い出す〝虫送り〞といった儀式などは、どこか恐ろしく感じるのに、見てみたいという思いにかられます。
 日本中から里山の風景が失われつつある、という危機感を抱えた今森さんの記録から、読者が何を読み取るかは千差万別でしょう。ただ昆虫を好きな子も、植物に興味がある子も、棚田に関心がある人も、全てがそう広くない場所で深くつながって存在していることを、小さな驚きとともに感じられると思います。

you46.gif妖精ディックのたたかい  
著者...K.M.ブリッグズ 訳者...山内玲子 岩波書店 2,100円(税抜)

 17世紀半ばのイギリス、コッツウォルド地方にウィドフォード屋敷と呼ばれる地主屋敷がありました。ディックは、何百年もの間この家に住む人や財産を守ってきた「家つき妖精」です。長い間空き家となっていたこの屋敷に、新たにやってきたのは商人のウィディスン一家でした。ディックは家になじまない家具を落ち着かせようと、磨いたり、動かしたりして、一家の生活がうまくいくよう手伝います。家つき妖精は、人間がそばにいると元気が出てくるものですし、目に見えないものへの怖れや敬意を持ち合わせた、"ものの道理"がわかった人もわずかですがちゃんといて、ディックを喜ばせました。
 魔女や悪霊がうろつく夏至祭の前夜のこと、一家の次女マーサが、ディックを狙っていた魔女のマザー・ダークにさらわれてしまいました。ディックは仲間の妖精とともに、マーサを助け出すためにマザー・ダークのもとへ向いますが......。
 この物語の作者キャサリン・ブリッグズは、イギリスの民俗学、妖精学を研究した人です。物語の舞台となったコッツウォルド地方は、作者が長年住んだ場所であり、魔女や悪魔、妖精が登場する伝説、伝承が数多く残されている土地でもあります。この物語は、超自然に関心を持ち、研究を重ねたブリッグズだからこそ描けた世界だと思います。姿は見えないけれど、ディックがいたらと思うと、自分の住んでいる世界が何倍も広く深く感じられるのではないでしょうか。


「季刊トライホークス」は、図書閲覧室トライホークスで3ヶ月ごとに発行しているフリーペーパーです。ここでは、図書室の本を紹介するとともに、様々な分野で活躍している方に本の紹介をしていただき、図書室の枠をこえ「本」と出会うきっかけ作りをしていきたいと考えています。

「季刊トライホークス 46号」内容紹介
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  • 「夢中になって読んだ本」
  • 作家の中脇初枝さんにお話を伺いました。長く昔話に関わってこられ、また私たちの身近な問題を取り上げた著作も多数あります。中脇さんの本との出会いを紹介します。

  • 「連載」 オトフリート・プロイスラー(第2回)
  • 少年と泥棒たちの愉快な冒険物語『大どろぼうホッツェンプロッツ』は、プロイスラーが代表作『クラバート』を構想中、行き詰ったときに書かれた作品でした。『ホッツェンプロッツ』は世界中で評判となり、続編を望む多くの声を受けて3部作となります。

  • 「山猫だより」 変わったところ
  • 美術館の裏側(?)、日常について書いています。2ヶ月間の改修工事の後、大きく変化したところは外壁と屋上です。空間が変わると、物の見え方、人の動きが変わることを実感しました。

12月 ばたばたと

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12.5(月)

・落ち葉の雨がたくさん降っていたこの日、出口前にはクヌギの葉がたくさん落ちていて、小さい女の子がテーブルに選りすぐりの葉を並べています。「1コ、2コ、3コ...」どうやらその女の子はまだ3コまでしか数えられないようで、「1コ、2コ、3コ、1コ...」とまた戻っていました。


12.6(火)

・年末の恒例、カレンダーの発送作業の時期がやってきました。いつもは総務が全てまとめて発送作業をしてくれていましたが、今年は各部署で分担して発送することに。しかし結局、総務が各部署の発送セットを作り、梱包や発送の仕方などの詳細を伝授して回ってくれたので、来年こそは自分達で・・・と思うスタッフ達なのでした。
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12.7(水)

・鈴木さんと元ジブリにいた石井朋彦さんのLINE LIVEがあった翌日、机さんがたまたま石井さんに遭遇。スタジオにいたころ近くで働いていた机さんは、LIVEの話や今の身の回りの話を聞き、「毎日仕事が充実しているんだなぁ・・・。立派になったな~」と思ったそうです。


12.8(木)

・今年のクリスマス装飾の"トランスパレント"についてお客様から感想や質問を受けることが多く、スタッフは生き生きと返答しています。スタッフ休憩室でも話題になっており、「"トランスパレント"の紙を買って、子どもと一緒に折ってるよ」など、お家でも楽しんでいる様子。窓辺が華やかになり、寒い冬を乗り切る元気が沸いてくるようです。


12.9(金)

・鈴木プロデューサーが雑誌の取材で美術館にやって来る日。予定時間より早く到着したなと思いきや、事務所の一角で全く別の打ち合せが始まりました。その後も入れ替わり立ち代り、多忙の鈴木さんの時間を縫うように次から次へと打ち合せが続くのでした。


12.10(土)

・事務所でソフトクリームを食べる館長とカフェ店長の姿が。
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「楽しそうですね~」と言うと「あくまで試食中です!」とのこと。カフェテイクアウトでチョコレートのソフトクリーム、始まっています。


12.11(日)

・休憩時間は持参したおやつを食べながら過ごすスタッフが多く、マイおやつ袋を持っているスタッフもいます。畑さんもマイおやつ袋を持っている一人で、小さな巾着袋からいつもたくさんのおやつが出てきます。バナナ、お煎餅、チョコにラスクなど!次から次へと出てくる様子をみんなでまじまじと見つめていると、「もうおしまい!」と笑う畑さんでした。

【三鷹の森フェスティバル2016】が開催されます

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昨年に引き続き、今年も井の頭公園で話題・注目のミュージシャンによる無料ミニライブが開催されます。

三鷹市の姉妹・友好市町村の物産販売や、模擬店での小物、飲食の販売、井の頭公園のかんさつ会も行われる予定です。この機会に、秋の一日を心ゆくまでお楽しみ下さい。

【概要】

日時:平成28年10月16日(日)(小雨決行)
   午前11時~午後5時(予定)
場所:井の頭恩賜公園 西園

主催:特定非営利活動法人みたか都市観光協会
共催:三鷹市、三鷹の森ジブリ美術館

【プログラム】

11:00~  開会セレモニー
11:30~  Rei
12:15~  ヒグチアイ
13:25~  優河とおおはた雄一
14:40~  森恵
15:50~  Schroeder-Headz

※プログラムは目安です。都合により時間は変動します。

出演者情報、その他詳細は「三鷹の森フェスティバル facebookページ」をご覧下さい。

チラシは下記PDFをご覧下さい。
三鷹の森フェスティバル2016.pdf(730KB)

どうぞお楽しみに!

2016年11月

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11.1(火)

・事務所にくまやの野村さんがやってきました。久しぶりの登場に喜ぶスタッフに囲まれたものの、時間がなかったようで、「アイラブユー!アイラブユー!」とみんなに愛を伝えながら、嵐のように去っていく姿を見て、変わらない野村さんに松島さんは安心感を覚えたそうです。


11.2(水)

・クリスマスに向けて着々と準備が進んでいますが、今日はみんなで "あるもの"を作る第一回目の日。腕に覚えありの人もそうじゃない人も休憩室に集って、おしゃべりに花を咲かせながら手を動かしています。なかなか部署を超えてゆっくり話す機会がないので、「えぇ~!○○さんって、B型だったんだ!」や、「意外と手が器用なんだね」など、長い付き合いでも知らないことがたくさんあることに驚きながら、お互いの作っているものを褒め合いながら、和気藹々とした雰囲気で作業は進んでいくのでした。
今年のクリスマス装飾は11月30日からです。どうぞお楽しみに。


11.3(木)

・井の頭公園の木々も少しずつ色づいてきています。
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11.4(金)

・今月から、土星座の短編映画が、「コロの大さんぽ」になりました。映画を見終わった子どもたちがショップにやってくると、「"コロ"だ~!!」と、ぬいぐるみに飛びついている姿がとてもかわいいのですが、「これください。」とぬいぐるみをレジに持ってきた男の子に「映画が面白かったから、"コロ"買ってもらうの?」と尋ねると、「映画も面白かったけど、うちの犬に似てるんだ!」と、"コロ"そっくりの犬を飼っているそう。今日は留守番している"コロ"似の犬が、大さんぽに行ってしまっていないかちょっと心配になっていましたが、「早く一緒に遊ばせたい!」と喜んでいました。


11.5(土)

・風邪をひいてしまった郎さん。事務所にやってきた吾朗さんが、マスクにいたずら描きをしてくれ(?)ました。
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<されるがままの郎さん>


11.6(日)

・今年のクリスマス用の"あるもの"が、全部で200個以上必要ということが判明。現場以外の各所の有志に手の空いた時に作業を頼んでいるのですが、笠屋の広報チームも「やります!」と快く引き受けてくれ、水を得た魚のように作業を進めてくれているようです。


11.7(月)

・本日からメンテナンス休館。館内では展示、施設のメンテナンスがあちこちで行われています。天候にも恵まれて順調に進んでいます。
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<捨てられている訳ではありません、修理をしています。>


11.8(火)

・休館を利用して、社員旅行に行ってきました。行き先は熊野古道。移動時間が6時間ということで、朝早くに集合し、移動中は昼食に加えお菓子セットも配られ、楽しい移動の時間となりました。到着後は全員で熊野速玉大社へ。あいにくの雨でしたが、「禊ができた!」と前向きな意見もあり、思い思いにお参りをしたのでした。


11.9(水)

・社員旅行2日目。昨日と打って変わっての快晴です。
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今日はオプションのコースに分かれ、熊野那智大社や串本海中公園に出かけていきました。夕食時には、それぞれの感想が飛び交い、コース以外にも、海での釣りやドライブ、呼ばれないといけないという神社に行ってきたという人もいて、それぞれ熊野の地を堪能したようです。


11.10(木)

・社員旅行最終日。今日は熊野本宮大社を訪れました。かつて本宮大社があった大斎原の大きな鳥居に圧倒され、その歴史に思いをはせながら熊野川のほとりを歩き、無事帰路につきました。
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11.11(金)

・カフェでは、この日はお花の活け込みの日。お花屋さんが持ってきてくださったのはフウセントウワタ(風船唐綿)というお花。お花といっても、風船のように膨らんだ果実がまるでハリセンボンのようなユニークな植物。熟すと果実が割れて綿毛のついた種が出てくるので、変化も楽しめるお花です。
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<早速割れました>
 

11.12(土)

・ショップで、オリジナルの食器12ヶ月のプレートをご覧になったお客様が、「真ん中に、日付が描いてある!」と、興奮しており、「私、この日が誕生日なんです!」と、自分のために作られた食器があると喜んでくださいました。宮崎館主がデザインした、12ヶ月の月ごとの"トトロ"が描かれており、真ん中に11月と12月の"トトロ"がいるのですが、年に一度だけの特別な日にこのプレートに出会っていただけた事が嬉しかったです。


11.13(日)

・「歯が抜けた!」と大騒ぎの男の子。見せて見せてとお友達3人と一緒にスタッフも見に行くと前歯が綺麗に抜けていました。「大事な歯落とさないようにね」と声をかけると、突然お友達3人がみんなでイーっと歯を見せてくれました。「僕たちも歯ないんだ~、仲間入りだね」と言いながら、にひひと笑う姿は周りを和ます笑顔でした。


11.14(月)

・土笛を首から提げてやってきた女の子が、「今日は土笛の上手なお兄さんはいないんですか?」と、日下くんを訪ねてやってきました。残念ながらお休みだったので伝言をお聞きしたところ、「"きらきらぼし"が吹けるようになりました」と嬉しい報告がありました。次の日、本人に伝えると、「きっとあの子だな!」と、自分も負けじと練習を始め、また会える日を心待ちにしているようです。


11.15(火)

・メンテナンス休館明けから、地下1階の常設展示室「動きはじめの部屋」のびっくり劇場が新しくなりました。以前の"ステッピングモーター式ゾートロープ"から"ジェネバ機構式人力発電ゾートロープ"に変わり、ハンドルを回すことで生まれる電気で動きます。ぜひいらした際は回してみてください。


11.16(水)

・メンテナンス休館が明けてから、例の"あるもの"を作る作業が急ピッチで進められています。今日は新しい形を作ったのですが、初参戦の鵜木さんがとても上手に作ってくれました。「先生!ここはどうやるんですか?」と、密かに目を付けている人たちが"先生"に昇格していくので、その場を仕切っている菅野さんは、鬼軍曹と呼ばれながらもしめしめとほくそ笑んでいます。
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11.17(木)

・「社員旅行での石光さんは『食う、寝る、遊ぶ、ネコ』。次の日『食う、寝る、遊ぶ、ネコ』。いいよなぁ・・・」。久々に現われた事務所で石光さんを目の前につぶやく幹事深谷さんなのでした。


11.18(金)

・あまりに皆が"あるもの"を作っているので、館長も制作に参加することに。「あれ、これサイズ違わない?合わないよ?」「手元が見えない・・・」と苦戦しながらも綺麗な一点を作ってくたので、どこに置こうか考え中です。


11.19(土)

・映画の上映が始まる少し前にトイレに行きたくなってしまった6、7歳の男の子が走って戻ってきました。ズボンのボタンを締め忘れたようでホワイエで男の子のズボンがスルッと下がってしまい、そこに居合わせた中村くんが「ズボン下がっちゃってるよ!」と声をかけたのですが、焦る男の子には届かず...。お父さんにも「さすがにズボンは履こう!」言われ無事にズボンを履き、上映に間に合ってほっとした表情でした。


11.20(日)

・第25回三鷹市民駅伝大会が開催されました。今回参加したのは、森田くん、豊村さん、福島さん、梨子木くん、関根くん、大塚さん、田中くんに、初参加は学生時代に陸上をやっていた運営の三橋さん。
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今年はベテラン勢が体調不良や緊張に見舞われ、どうなるかとハラハラしながらサポートメンバーが見守る中、スタートを切りましたが、結果は男子26位、女子6位と、去年よりも順位が上昇!
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サポートで参加した小林さんのハイライトは、ベテランアンカーのゆるぎなさと、今年からキャプテンを襲名し、走る前から「まず応援に来てくれたみなさんへ、一言お礼をいいたいです」と挨拶をのべた関根くんだそうです。
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応援して下さったみなさま、ありがとうございました。


11.21(月)

・トトロ受付前の木々もだいぶ綺麗に赤く色づいてきました。常緑樹の緑と空の青とモミジの赤。寒い日が続いていますが、自然の美しさに心温まるスタッフなのでした。
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11.22(火)

・今日は休館日を利用したサンクンテラスへのツリー搬入日。大きなモミの木でしたが、あっという間に移動終了。装飾は一週間後です。


11.23(水)

・今年も落ち葉隊が始動しました。新入社員たちは田中先輩指導の下、懸命に落ち葉掃きをしています。「こんなにたくさんの葉たちが、夏は日陰をつくってくれて、秋には綺麗な紅葉を見せてくれていたんだな」と思いながらする落ち葉掃きは気持ち良く、とても有意義な時間です。


11.24(木)

・54年ぶりという11月の雪。ジブリ美術館の周りでは、赤や黄色に紅葉する葉の上に降り積もる雪はなんとも言えない美しさとなりました。「こんな日に来れるなんて、とっても貴重な体験です!」と一段と冷える外でも笑顔で楽しんでいらっしゃる姿があちこちで見られました。
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11.25(金)

・昨日、運営の磯部さんの送別会が行われました。2001年の美術館の開館直後からのメンバーで、みんなのお母さんのような存在。送別会ではフラダンスの出し物があったり、感謝の手紙が読まれたりと、大いに賑わい、最後には磯部さんと握手をするための列ができるほどでした。15年間、ありがとうございました。
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11.26(土)

・クリスマスの装飾開始までカウントダウンの毎日。地下1F担当の菅井さんと斉藤昌哉さんは、地下にこもって作業しているので、当日までどんな装飾になるのか全くわかりません。一見おとなしそうに見えて人を驚かせるのが大好きな菅井さんが、「今年も楽しみにしててね!」とニコニコ話してくれたので、期待が膨らみます。クリスマス班のみんなの顔が徐々に真剣みを増していく中、お客様が笑顔になってくださることを思って毎夜作業は進んでいくのです。


11.27(日)

・田島くんが一生懸命作った小さな小屋(通称タジ-ズハウス)。製作中は木材をカットするのに悪戦苦闘していましたが、見事に小屋を完成させました。素敵な色に変身を遂げて、ついにパティオに飾られました。薪の中に小屋、小屋の中に植木鉢が、すっかりパティオに溶け込んでいる様子に満足げな田島くんでした。


11.28(月)

・閉館後、明日のクリスマス装飾本番に向けてさっそく準備が始まりました。
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11.29(火)

・いよいよクリスマス装飾作業の当日。お天気に恵まれ、15年分のボールがお日様の光を反射してキラキラきれいです。
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今年は、15年間の感謝の気持ちを伝えるために、スタッフみんなで"あるもの"="トランスパレント"を制作しました。日中は館内に差し込む光から、日が落ちてからは館内から外にこぼれる明かりで窓辺に色を添えています。
無事に装飾が終わり、準備段階からみんなで作り上げることができた達成感にあふれていました。
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11.30(水)

・クリスマス仕様となった初日の夕方、サンクンテラスにあるツリーの点灯式を行いました。今年はスタッフが「きよしこの夜」を歌ってお客様をお出迎え。その後一緒に歌い、カウントダウンをしてから点灯しました。いつも以上に、同じ空間で同じ時を迎えられ、感謝の気持ちでいっぱいになるスタッフなのでした。
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メンテナンス休館のお知らせ

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2016年11月7日(月)~11日(金)まで、ジブリ美術館はメンテナンス休館となります。

次の開館日は2016年11月12日(土)からです。

どうそよろしくお願いいたします。


ジブリ美術館のクリスマス

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公園の柔らかな緑に守られ、ジブリの森のクリスマスも今年で16回目。
公園の木々の中を進んでいくと突如姿を現すカラフルな建物は、たくさんの子どもたちの期待と笑い声に包まれてきました。

年が経つにつれて、次第にツタに覆われ周辺の木々も少しずつ大きくなり、ゆっくりと時を重ねた建物は、より一層自然になじんできた気がします。

今回は、木の実や松ぼっくりなどを使い森の恵みをイメージした緑豊かな装飾と、トランスパレントという半透明の折り紙を館内の色々なところに飾っています。トランスパレントとは、北欧やドイツなどで使われる"透明な""透き通る"という意味の窓辺の装飾で、長い冬につかの間の太陽の光を喜び、その恩恵を楽しむために生まれたものです。重なることで初めて現れる色や形は、思いもよらぬ発見の喜びとささやかな彩りを私達に添えてくれます。

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みなさまと一緒に過ごしてきた時間と自然の豊かさに感謝し、今年のクリスマスも楽しくにぎやかに彩ります。

一年の締めくくりとして特別なクリスマスのひと時を、ジブリの森でお楽しみください。

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アニメーションに関する調査研究活動をサポートします

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三鷹の森ジブリ美術館を運営する徳間記念アニメーション文化財団では、アニメーション文化の調査研究に取り組む若手研究者の育成と、その研究活動に対して助成することを目的に、「アニメーション文化調査研究活動助成制度」を実施しています。
今年度も、平成29年1月31日を申込期限として、助成対象研究者を募集します。

詳しくは、下記のPDFファイルをご覧ください。
平成28年度アニメーション文化調査研究活動助成制度について.pdf(141KB)
平成28年度助成申請書.pdf(135KB)


また、今回の募集にあたり、ご応募予定の方に向けて説明会を実施します。<申請書の書き方>をはじめ、<調査研究テーマの選び方>、<調査研究計画の立て方>などを事務局員から説明します。
申請上のアドバイスを受けることもできますので、ぜひ奮ってご参加ください。

日時: 平成29年1月14日(土) 13:30~14:30
場所: 三鷹ネットワーク大学 (三鷹駅 徒歩1分)
    三鷹市下連雀3-24-3 三鷹駅前共同ビル3階
    ※説明会に参加できなくても助成制度にご応募は可能です。


なお、参考のために、過去に助成をした研究成果の中から、下記2つの成果を掲載します。

平成16年度研究成果「1928-45年におけるアニメーションの言説調査および分析」佐野明子.pdf(2023KB)

平成18年度研究成果「漫画のアニメーション化における一考察」桑原圭裕.pdf(669KB)

大学や研究機関等、あるいはフリーで研究活動をされている方のご応募をお待ちしています。

本件へのご質問は、
PDFファイル「平成28年度アニメーション文化調査研究活動助成制度について」に記載のお問い合わせ先にお願いします。

トトロ はりこーシカ

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20161201s55.JPG12月になりました。この季節、美術館の周りの落ち葉は大豊作。集めても集めても降ってくる落ち葉に、豊かな自然に囲まれていることを実感します。
もうすぐ美術館が開館して16回目のクリスマス。今年もスタッフによる手作りの装飾で、館内が賑やかになっています。"トランスパレント"という半透明の折り紙や、色とりどりのプレゼントボックスなど...試行錯誤しながら皆で心をこめて準備しましたので隅々まで見て楽しんで頂けたら嬉しいです。
ショップの天井から下がっているアンティークランプにも、井の頭公園の森を意識した緑の飾りが施されて素敵に変身しています。 新商品も出ていますので、一年の締めくくりに、素敵な一時をお過ごしください。


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ささやかな幸せを願い、福を呼ぶ張り子細工
―――【トトロ はりこーシカ】

日本の伝統的な民芸品である張り子。
紙を重ね合わせて作る素朴な人形で、お祝いやお守り、縁起担ぎの品として、古くから親しまれてきました。
このたび、そんな張り子細工とトトロとのご縁がつながりました。
しかもすべてが大トトロの中に入ってしまうではありませんか!
もしかしてこれはマトリョーシカ......?

今回は、張り子とマトリョーシカ、そしてトトロ----
多くの縁をひとつに結んで生まれた[はりこーシカ]の
ふるさとを訪ねてみました。

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▲トトロ[はりこーシカ]...¥5,500(税別)




だるまの伝統から生まれた[はりこーシカ]

[はりこーシカ]とは、張り子細工の製作会社、アクティ大門屋さんが考案したオリジナル商品です。
その[はりこーシカ]の作り手を訪ねて、群馬県高崎市の本社におじゃましました。

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▲(左)深澤浩昭さん:アクティ大門屋株式会社・東日本営業統括マネージャー。(右)本島裕美さん:同社のクリエイターで、[はりこーシカ]のデザイン、製作を手がける

高崎といえば、だるまで有名なイメージがありますね。

深澤  はい、高崎は古くからだるま作りが盛んで、その生産量は
日本一としても知られています。
農家の冬の副業としてはじまったと言われていますので全国各地で生産されていますが、
高崎のように50数軒の作り手が残っているところは少なくなりました。

アクティ大門屋さんも、最初はだるま屋さんだった、とうかがいました。
社内にもだるまはもちろん、たくさんの張り子が並んでいますね。
眺めているだけで喜ばしいような、なんだかおめでたい気分になります(笑)。

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▲アクティ大門屋さんのだるま、そして2017年の干支も製作中でした

深澤  ありがとうございます、縁起物屋をやっております(笑)。
だるま自体が幸せを願う心が形になった縁起物ですが、
うちはだるまを中心に扱う会社だったのを
社長が早い段階でそれ以外の張り子...、さまざまな縁起物の開発にシフトしたんです。

だるま屋さんから、縁起物の張り子屋さんへと転換されたわけですね。
そののち生みだされた[はりこーシカ]というのは、こちらのオリジナル商品ですか?

深澤  はい、そうです。張り子は中が空洞ですが、
そのことが発想の原点になりました。
ふとマトリョーシカとの掛け合わせを思いついて、
〝張り子のマトリョーシカ〟だから[はりこーシカ]なんです。

なるほど。一説にはマトリョーシカも子孫繁栄の意味があるとか。
縁起のよさも倍ですね。

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▲館内の常設展示室、とある棚にもマトリョーシカが

本島  マトリョーシカには、日本の入れ子のこけしがロシアに伝わって生まれたという説がありますから、
ぐるっと回って帰ってきた感じでしょうか(笑)。

マトリョーシカは同じ顔が次々でてくるのが、
親子がどことなく似ているのと同じようでユーモラスですね。
トトロとのご縁も重なり、ますます頬がゆるむ組み合わせです(笑)。

深澤  さらに幸せを運んでくれそうですよね(笑)。
我々とジブリ美術館さんとのご縁は、鯉のぼりの[はりこーシカ]をたまたま見つけていただいたのがきっかけでしたね。
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そうでした。でも筒状の鯉のぼりとはちがい
耳やしっぽなどの凹凸があるトトロの形を入れ子形式にするのは、難しい注文ではありませんでしたか?

本島  たしかに普通の入れ子のものは、
形をあまり複雑には作れないようにみえますよね。
でも〝耳や手の凹凸をつけながらもちゃんと収まる〟というのを、
いつかチャレンジしたいとずっと思っていたんです。
作業的にはちょっと大変なんですが、モチーフがトトロだしどうしてもやりたい、と(笑)。
でもやってみたらトトロの形はひっかかりもなく、ちょうど良かったです。

すっぽりと張り子が順番におさまっていますね。
ところで、内部を空洞にするのはどのような技法なのでしょうか?

深澤  トトロの[はりこーシカ]も基本的にはだるまと同じ技術でつくっているんです。
だるまの型をつくる製法の応用で、さまざまな形の張り子をつくっています。

そうなのですね。だるまはどのようにつくられるのでしょうか?

深澤  現在は少し違うのですが、むかしはだるまの木型をつくり、
その外側に張った紙を乾かして型をつくっていました。
背中を割って外側をとりだして、切れ目をニカワで貼りあわせるんです。
型ができたらニカワと胡粉(ごふん=貝の粉)を混ぜたもので全体を白く塗り、
それから赤い色をつけたり顔や装飾を描いていきます。
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▲骨董品的な風格のあるだるまの木型。その背中には表面に張った紙を割る際の刃物の跡があり使い込まれていました

深澤  ただ現在では木型に紙を張る製法ではなく、まったく異なる製法でつくられています。
昔はすべての工程を各だるま屋さんがやっていましたが、いまでは分業が普通なんです。
うちも型づくりは、ここから少し離れた別の工場にお願いしています。
これからご案内しましょう。




トトロに活かされるだるまの伝統:作り方その1

張り子の型づくりの作業を見せてもらいに、
お隣の富岡市にある、福澤だるま成型さんの工場に伺いました。
工場内にあるいくつもの水槽の水の中に、木の箱が沈められています。
いったいどんな作業をしているのでしょうか...?
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深澤  先ほど少しお話しましたように、現在では型づくりは木型不要の製法でつくっています。
おそらく昭和40~50年ころから主流になった製法で、《真空成形法》というものです。
簡単に言うと、立体に作った金網の中に、水に溶かした紙の原料を流し入れ、空気だけ吸い出すんです。

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福澤だるま成型の福澤さんは、この道30年という大ベテランです。
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▲張り子の成形を手がける福澤薫さん。20代のころに張り子作りを修行し、農業から成形業へと転換。以後、30年以上にわたり高崎の張り子作りを支えてこられた

――寒くないですか。水が冷たそうですね。

福澤  水だから冬はどうしてもね。夏はいいんだけど。冬はお湯をたいて、手を温める程度で一年中やってるよ。
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先ほど、高崎はだるまの生産量が日本でいちばん多いとお聞きしました。
年間どのくらいつくっているのですか?

福澤  年間かい? ちっちゃい張り子だけだと5万個くらいかなあ...?
うーん、大きいだるまもあるし、
そうだねえ、高崎のだるまのだいたい3〜4割かなあ(笑)。

すごいですね。日本のだるま産業の一部を支えてるといっても過言ではない...!
やはりだるま市が近づくと忙しくなるのですか?

福澤  いちばん忙しいのはこれからだよねぇ、11月、12月。
この時期からだんだん大きいだるまを作るからね。

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▲水槽から型を引き上げると、トトロの形があらわれた

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▲型からはずし、合わせ目を福澤さんがひとつひとつ均す

福澤  紙の厚みを均等にするのがポイントかな。
だるまの場合は外側から見るだけだから多少厚ぼったくても関係ないけれど、
これ(※[はりこーシカ])の場合は中にものが入るから、薄めにしないとね。

厚みはどうやって調整するんですか?

福澤  ポンプで原料を吸い上げる時間を変えて調整してるんだよ。
時間をかければ厚くなるし、早めに止めれば薄くできるわけだね。
でも吸い上げた直後は柔らかいし、型からはずしたときに自分の重みで崩れてしまわない、
ぎりぎりの厚みは必要になるね。

その力加減は、職人のカンなのですね...。

福澤  だいたい手でわかるね。
でもこれはだめだとなったらまた撹拌機に入れちゃう。
水に溶かした紙だから、再生がきくからね(笑)。

(一同笑)だるまづくりの技術が受け継がれて、
[はりこーシカ]につながり、そしてトトロが出会えたのも、だるまがつなぐご縁ですね。
これからの季節、水仕事は大変でしょうけど、どうかよろしくお願いします。

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▲ビニールハウスの中で三日ほど乾燥させる(冬場は一週間くらい)。こうして乾いたものがアクティ大門屋さんへと運ばれ仕上げられる


黙々と大量の形作りを30年も地道に続けてこられた福澤さん。
最後に、どんなときにやりがいを感じていらっしゃるかお尋ねしたところ
「そりゃあ、お祭りや市で自分が作っただるまを見ると、やっぱり嬉しくなるよ!」と豪快に笑ってくださいました。




和紙を重ねていのちを吹きこむ:作り方その2

水の中で型どられたあと、北関東のからっ風に吹かれ
陽にあたりすっかり乾いたトトロたちは、
本島さんのもとへと運ばれ、仕上げ作業が行なわれます。

和紙の色選びから一枚ずつ張り重ねる作業、
そして絵の具による繊細な表情づけ...
すべての工程が本島さんの手によるものですが、そのていねいな仕事は、
まるでトトロたちにいのちを吹きこんでいるかのようです。

本島さんがデザイン・原型を担当されただけでなく、
仕上げまで全部手でなさると聞いて驚きました。
その作業を見せていただく前にお尋ねしたいのですが、最初にこの企画をきいてどう思われましたか?

本島  そうですね...うまく言えないのですが、
トトロには、ふわふわした、なんだかさわりたくなる温かみを感じていました。
やはり張り子は手に持ってもらいたい玩具なので、
手にしたときの優しいぬくもりが、トトロの雰囲気と個性にすごく合うと思ったんです。
トトロのシルエットといい世界観といい、
張り子の持ち味にもってこい、というか...。

たしかに手にしたときにふわ、っとして、温かみと優しさを感じます。

本島  はい。張り子は〝温かみのある形〟になってしまうので、
シャープなものには向きません。
そして、「絶対にぴったりだ!」と思うのと同時に、
なんだかたいへん光栄な気持ちになりました。

特に苦労された点はどんなところでした?

本島  苦労の連続でした(笑)。
最初は何度も関連書籍を読み返してスケッチを描くところから始めました。
平面のものを立体にする作業が大変で...。
何回もスケッチを描きなおして、やっと原型のOKをいただきました。

何度も修正をお願いしてしまって...。

本島  はい(笑)。でも絵付けのラインに訂正が入ると
ぐっとトトロの顔が変わり、「あぁなるほどそういうことか!」と、
すっと腑に落ちるんです。おかげで何がちがうのか理解できるようになりました。

そうなんですね。和紙の仕上げは本島さんのアイデアですか?

本島  はい、これは《和紙張り》だな、とすぐに思いました。
うちでは《塗り》の張り子がほとんどなのですが、
トトロは絶対に《和紙張り》でいきたい、と思ったんです。

(※和紙の紙漉きについてご紹介した、バックナンバーGIORNALE DEL MAMMA AIUTO! 【和紙っこ クロスケシール】~マンマユート便り vol.9もあわせてお楽しみください)


それではそのぬくもりを生む《和紙張り》の工程をみせていただきましょう。

1:和紙を選びます。
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▲「トトロの色は、最初に近い色を選んで、いつも仕入れている和紙屋さんに相談しオリジナルで作ってもらいました。素材感が良く、柔らかい感じで。」

2:和紙を張るための糊は米粉を使用します。
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▲「これで米粉パンとかフォーなどを作れるんですよ。防腐剤入りの糊と違い手への負担がないので、素手で作業します」

3:和紙に糊を浸透させ、伸ばしながら曲面に張ります。
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▲「和紙の両面に糊をつけて重ねていきます。しばらく置いておくと糊の水分で和紙の繊維が柔らかくなり、同時に伸びが可能になる為、曲面にしわが出にくく張りやすくなるのです」

4:お腹の白い部分を張ります。
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▲「お腹の形の型紙に合わせてちぎります。そしてすでにできている体に張って乾かします」

5:目や模様に筆を入れていきます。
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▲「和紙なので絵具を吸い込むとムラが出てラインがでこぼこになりやすいので、細かい輪郭は筆で修正します」

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▲「歯を描くのは最後の楽しみですね(笑)。『トトロになった〜』という感じがすごくするので」

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▲完成~!!




ぬくもりを手から手へ...張り子は幸せを運ぶツール

和紙をていねいに張るところから、
筆の線一本まで、本島さんの愛情にあふれていますね。

本島  それは、ほんとうに心から込めています。
ひとつひとつ、和紙を張るとか、筆入れにしても。
作業工程が多いので、時間はかかってしまっているんですが......。

一体一体の作業をお一人でされているのに驚きました。

本島  そうですね。つくるのは大変ですけれど、
気持ち的にはすごく楽しくやらせてもらってます。
個人的にはジブリ作品の中ではトトロがいちばん気持ちが入り込める映画だったので、
なんだか言い表せない縁を感じているんです。
出来あがって詰め込むときは「かわいいなぁ」って嬉しくて(笑)。
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最後に全体をふさぐフタをどうしようかご相談して、
悩ませてしまったかもしれません。

本島  [はりこーシカ]の底にフタをする方法は、
じつは最初からずっと気になっていました。
迷いを抱えてもんもんと悩んでいたら
隣の席でウェブサイトを担当している竹内さんが、
「座布団がいいんじゃない?」と、良いアドバイスをくれまして。
「座布団か!」と思って試してみるとぴったり。
ジブリ美術館さんに一か八か提案させていただいたのを聞き入れてもらえたときは、嬉しかったですね。

あの座布団は、なるほど!と思いました。
座布団なら『となりのトトロ』の世界観にもあいますし、台座としても飾れますね。

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本島  張り子作業は一人ですが、その前の段階ではいつも一人じゃなくて、
たくさん相談してアイデアをしぼり出しながらやっています。
この会社自体、だるまがなかったらありませんが、
うちの社長は、いつも貪欲にたくさんの良い縁を見つけてくるんです。
私たちもほんとうに〝縁〟をすごく感じながら仕事をさせてもらっています。

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▲本島さんの席(※手前)と、お隣の席の竹内さん

そうなんですね。今回お話をお伺いして、
[トトロ はりこーシカ]はたくさんの人との出会いとつながりによって生まれた
縁起ものらしい、幸せな商品なんだと感じました。

本島  みんな笑顔になりますから。ぱっと見た瞬間にひと目で...。
なにかがお客さんにも伝わるのかなあ、そうだといいなぁ...、と思うんですよ。

出来あがりをみると「かわいい」と、自然に笑顔になりますね。
今日はなんだか〝だるまの町〟に呼ばれたような気もしました。
貴重な時間をほんとうにありがとうございました。


張り子とマトリョーシカ、そしてトトロ......
それぞれを手がける人たちの思いが結びつき、
三つもご縁が重なって生まれた[トトロ はりこーシカ]。

だれかに幸せになってもらいたい、と願い作られたそれぞれの思いが、
嬉しい暖かいおくりものに感じられました。


(2016年10月、群馬県高崎市、アクティ大門屋にて収録)




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今回ご紹介するのは、企画展示『猫バスにのって ジブリの森へ』にちなんだ商品です。

『猫バスにのって ジブリの森へ』グッズ

... リングノート600円(税別) オリジナルポストカード150円(税別) メモ帳450円(税別) クリアファイル300円(税別) ジグソーパズル1,800円(税別)

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ジブリ美術館の企画展示『猫バスにのって ジブリの森へ』のために描かれた宮崎駿監督の水彩画が、かわいらしい文房具とパズルになりました。絵の中のネコバスたちは、お客さんをたくさん乗せて美術館へとやってきます。ノートやメモ帳は中にも挿し絵が入っているのでうきうき楽しい気分で使っていただけそうです。美術館の展示を堪能したあとは、ぜひショップで思い出の一品を見つけてみてください。


『猫バスにのって ジブリの森へ』 マスコット2種  ... 各740円(税別)

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こちらのマスコットも、『猫バスにのって ジブリの森へ』のポスター画の中に登場します。どこにいるか見つかりましたか?何やら袋を担いでぞろぞろと美術館に遊びにきているようです。マスコットの小さな袋の紐をほどくと、ドングリサイズのモノでしたら中に収納できるようになっています。形は二種類あるので、どちらにするかお気に入りを選んでいただけます。


「KAMON」ピンバッジセット3種  ... 各1,000円(税別)

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こちらは企画展示の商品ではありませんが、新しくオリジナルのピンバッジが登場したのでご紹介します。かわいらしいデザインは、日本の家紋をモチーフにしたもの。文字や色合いが少しレトロな雰囲気で、一味違うバッジになりました。トトロやカオナシ、ポニョなど、色々な作品からキャラクターが揃っているのも魅力のひとつ。3つセットで三種類ありますので、お好みで付け替えていただけます。

※商品は品切れの場合がありますので予めご了承ください。

2016年12月

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12.1(木)

・先日のクリスマス装飾作業の日、お休みの根津くんがわざわざ差し入れに来てくれていたそうです。吉祥寺で有名なメンチカツや肉団子・焼豚など、なぜか肉肉しいラインナップでしたが、おかげで作業するスタッフはパワー満点で乗り切れたそうです。


12.2(金)

・館内はクリスマス装飾に彩られ、トライホークスではパン種とタマゴ姫もクリスマス仕様に変身していました。赤がよくお似合いです。
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12.3(土)

・今日のお昼ごはんは唐揚げ弁当の西川さん。いざ食べようとしたところ無線で呼ばれて席を外すと、なにやら郎さんが怪しい動きをし始めました。なんと西川さんの唐揚げ弁当の中に、本物そっくりの食品サンプルの「唐揚げ」をしのばせました。「この前もやったんだけど、にっぴは全然気づかなくて、マヨネーズかけて食べたんだよ...」と悪い顔をする郎さん。さすがに二度目は気付くでしょーと言いつつ、皆で西川さんの帰りを待ち詫びます。そして期待を裏切らない西川さんは、何も疑うことなくぱくっと食べ、言葉にならない悲鳴を上げていました。
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<二度あることは...三度ある?>


12.4(日)

・カフェは、今回久しぶりに中庭に電飾を置くことなり、木村くんを中心に丸山くん、根津くんがDIYでサンキライの蔓でできたボールに電飾を巻いてくれました。家電が好きなだけあり木村くんのボールが一番きれいに巻けていたそうです。

12.5(月)

・落ち葉の雨がたくさん降っていたこの日、出口前にはクヌギの葉がたくさん落ちていて、小さい女の子がテーブルに選りすぐりの葉を並べています。「1コ、2コ、3コ...」どうやらその女の子はまだ3コまでしか数えられないようで、「1コ、2コ、3コ、1コ...」とまた戻っていました。


12.6(火)

・年末の恒例、カレンダーの発送作業の時期がやってきました。いつもは総務が全てまとめて発送作業をしてくれていましたが、今年は各部署で分担して発送することに。しかし結局、総務が各部署の発送セットを作り、梱包や発送の仕方などの詳細を伝授して回ってくれたので、来年こそは自分達で・・・と思うスタッフ達なのでした。
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12.7(水)

・鈴木さんと元ジブリにいた石井朋彦さんのLINE LIVEがあった翌日、机さんがたまたま石井さんに遭遇。スタジオにいたころ近くで働いていた机さんは、LIVEの話や今の身の回りの話を聞き、「毎日仕事が充実しているんだなぁ・・・。立派になったな~」と思ったそうです。


12.8(木)

・今年のクリスマス装飾の"トランスパレント"についてお客様から感想や質問を受けることが多く、スタッフは生き生きと返答しています。スタッフ休憩室でも話題になっており、「"トランスパレント"の紙を買って、子どもと一緒に折ってるよ」など、お家でも楽しんでいる様子。窓辺が華やかになり、寒い冬を乗り切る元気が沸いてくるようです。


12.9(金)

・鈴木プロデューサーが雑誌の取材で美術館にやって来る日。予定時間より早く到着したなと思いきや、事務所の一角で全く別の打ち合せが始まりました。その後も入れ替わり立ち代り、多忙の鈴木さんの時間を縫うように次から次へと打ち合せが続くのでした。


12.10(土)

・事務所でソフトクリームを食べる館長とカフェ店長の姿が。
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「楽しそうですね~」と言うと「あくまで試食中です!」とのこと。カフェテイクアウトでチョコレートのソフトクリーム、始まっています。


12.11(日)

・休憩時間は持参したおやつを食べながら過ごすスタッフが多く、マイおやつ袋を持っているスタッフもいます。畑さんもマイおやつ袋を持っている一人で、小さな巾着袋からいつもたくさんのおやつが出てきます。バナナ、お煎餅、チョコにラスクなど!次から次へと出てくる様子をみんなでまじまじと見つめていると、「もうおしまい!」と笑う畑さんでした。


12.12(月)

・ "土笛"の演奏に磨きがかかっているショップの日下くん。「吹いて欲しい!」というリクエストがあると嬉しそうに飛んで行くのですが、最近ショップスタッフに、"土笛"ユーザーが増え、閉館後に日下くんを囲んで合奏しているよう。いつかみんなに披露できる日がくるといいなぁと、今から楽しみにしています。


12.13(火)

・本日の一コマ。厚樹さんが異動することになり引き継ぎ中です。経理2人にはさまれる板谷さん。


12.14(水)

・館内の各所にあるクリスマス装飾のトランスパレント。基本的には同じパーツを8個や16個折って重ねていきます。大小さまざまなサイズや形があり、小さいものだと楊枝やピンセットを駆使して作った2cmくらいのものも。ぜひお気に入りものを探してみてください。

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12.15(木)

・レジで突然、「好きです!」、海外のお客様に言われた関根くん。「???」と、ドキドキしてしまったのですが、「"トトロ"が好きです!」と、改めて思いを伝えてくださり、主語を確認して少し複雑な気持ちになっていました。


12.16(金)

・今日から鵜木さんが笠屋勤務になりました。前日から机の上に置かれていたゴリラ。誰が置いたのかわからず、みんなお互いに「きっと○○さんだろう」と予測して確認するもハズレ。
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<犯人は板谷さんでした>


12.17(土)

・「おかしいなぁ」と首を傾げながらトイレから出てきた松島さん。中に置いてあるうがい薬がピーチ味とミント味に変わってからというもの、あっという間に減っているそうです。そしてその減りは女子より男子が早いとのこと。「もしかしたら誰か飲んでいるのか...?」と疑ってしまう松島さんなのでした。


12.18(日)

・ショップの山口さんが入社して早2年が過ぎ、顔なじみのお客様もでき、楽しそうにお話している姿を目にします。ある日、音大に通うお客様から、イタリア人のジャズピアニストのお話を聞き、映像を見て素敵だなぁと思っていたのですが、たまたまその人のコンサートに行く機会に恵まれました。「あの時のお話に出ていた方だ!」と、偶然の出会いに感激し、お客様から学ばせてもらっていることに改めて感謝するのでした。


12.19(月)

・長い髪がトレードマークの宮本さんがショートカットになり、スタッフも見慣れてきた今日この頃、お客様から、「"サツキ"ちゃんヘアみたいですね!」と、声を掛けられていました。確かに少しくせっ毛の黒髪がよく似ており、「なるほど~」とみんな納得。来年の阿波踊りまでにはまた伸ばす予定なので、この期間の"サツキ"ヘアを楽しんでいます。


12.20(火)

・出勤して席についた高田さん。何か視線を感じるなぁと横を見ると、隣の席に犬のぬいぐるみが。しかも飼っている犬とそっくり。「なぜここに??」と不思議に思っていると、その席に座っている板谷さんが戻ってきて一言。「うちにクマ(高田さんの犬の名前)がいたから連れてきた」。
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今は高田さんのデスクにお引越ししています。


12.21(水)

・今日は草屋で厚樹さんの歓迎&クリスマス会が行われました。
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初心表明(?)中の厚樹さん。伊藤さんの手料理もふるまわれ、かなり豪華な会になったそうです。


12.22(木)

・資料を送る際、壊れものだからと箱に入れて送った内藤さん。後日、先方から無事届きましたと連絡をいただくものの、時期が時期だけに中身は何かなとわくわくとして開けてしまいましたとのこと。今度から梱包は中身にあったものにしなくてはと反省したそうです。


12.23(金)

・日下くんと話をして土笛を購入した女の子。"きらきら星"を吹けるようになったと報告をしに来てくれた時、日下くんはお休みでとても残念がっていたのですが、この度念願叶ってご対面できました。とても上手に土笛が吹けるようになっていることを共に喜び、"土笛のお兄さん"と呼ばれる以上、もっと練習しなければ!と、いい刺激になったようです。


12.24(土)

・海外のお客様に、「映画の"チケット"を落としてしまった。」と、問い合わせを受けた阿部さん。"チケット"を"チキン"と、聞き間違え、「クリスマスだから"チキン"を持って来たのだろうか...?」と、考えあぐね、聞き返して対応したそう。改めて英語力をあげたいと思った出来事でした。


12.25(日)

・今日は、当日いらしたお客様へのサプライズのクリスマスコンサート。美術館開館と同じ年に公開された「千と千尋の神隠し」の主題歌を歌った木村弓さんと、ピアニストの中川俊郎さんにご登場いただきました。
13時と17時の2ステージで、曲はスタジオジブリ作品とクリスマスソング。
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ピアノの旋律と木村さんの優しい歌声、そして木村さんが奏でる竪琴ライアーの音色が館内に響き渡り、
寒さも心なしか和らぎ、ゆったりとした気持ちになる時間でした。
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12.26(月)

・2016年の営業日も今日で最後。今年は初の改修工事に伴う長期休館、リニューアルオープンなど、今までとは違う年で、スタッフも戸惑うことや慣れないこともありましたが、そんな中でも多くの客様においでいただくことができました。ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

2016年46号

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今森光彦フィールドノート 里山

著者...今森光彦 福音館書店 2,800円(税抜)

 昆虫写真などで知られる写真家の今森光彦さんは、長年にわたりご自身がアトリエを構える琵琶湖西部の里山で、生きものの営みを見つめてきました。ここで言う「里山」とは、人の入らない深淵な森のような場所ではなく、田畑や小川、雑木林など、人間の生活のすぐとなりにある空間のことです。この本には、今森さんの15年間の活動をおさめた写真が満載です。

 季節によって姿を変える里山の風景、そこに住んでいる動植物、とりわけ春を過ぎて現れる昆虫たちの写真はとても美しく、興味深い姿をしています。秋の終わりの落ち葉の世界には、ひっそりと珍しいキノコが誕生しています。一番心を惹かれたのは、その地域に根付いている習わしでした。あぜ道や小山の頂上で見かけられる多くの個性的な「野仏」たちをまとめた〝野仏マップ〞、お盆にご先祖様を迎える〝おしょらいさん〞やお米の害となる虫を追い出す〝虫送り〞といった儀式などは、どこか恐ろしく感じるのに、見てみたいという思いにかられます。

 日本中から里山の風景が失われつつある、という危機感を抱えた今森さんの記録から、読者が何を読み取るかは千差万別でしょう。ただ昆虫を好きな子も、植物に興味がある子も、棚田に関心がある人も、全てがそう広くない場所で深くつながって存在していることを、小さな驚きとともに感じられると思います。

妖精ディックのたたかい

著者...K.M.ブリッグズ 訳者...山内玲子 岩波書店 2,100円(税抜)

 17世紀半ばのイギリス、コッツウォルド地方にウィドフォード屋敷と呼ばれる地主屋敷がありました。ディックは、何百年もの間この家に住む人や財産を守ってきた「家つき妖精」です。長い間空き家となっていたこの屋敷に、新たにやってきたのは商人のウィディスン一家でした。ディックは家になじまない家具を落ち着かせようと、磨いたり、動かしたりして、一家の生活がうまくいくよう手伝います。家つき妖精は、人間がそばにいると元気が出てくるものですし、目に見えないものへの怖れや敬意を持ち合わせた、"ものの道理"がわかった人もわずかですがちゃんといて、ディックを喜ばせました。

 魔女や悪霊がうろつく夏至祭の前夜のこと、一家の次女マーサが、ディックを狙っていた魔女のマザー・ダークにさらわれてしまいました。ディックは仲間の妖精とともに、マーサを助け出すためにマザー・ダークのもとへ向いますが......。

 この物語の作者キャサリン・ブリッグズは、イギリスの民俗学、妖精学を研究した人です。物語の舞台となったコッツウォルド地方は、作者が長年住んだ場所であり、魔女や悪魔、妖精が登場する伝説、伝承が数多く残されている土地でもあります。この物語は、超自然に関心を持ち、研究を重ねたブリッグズだからこそ描けた世界だと思います。姿は見えないけれど、ディックがいたらと思うと、自分の住んでいる世界が何倍も広く深く感じられるのではないでしょうか。

季刊トライホークス 46号(内容紹介)

「季刊トライホークス」は、図書閲覧室トライホークスで 3ヶ月ごとに発行しているフリーペーパーです。ここでは、図書室の本を紹介するとともに、様々な分野で活躍している方に本の紹介をしていただき、図書室の枠をこえ「本」と出会うきっかけ作りをしていきたいと考えています。

夢中になって読んだ本
作家の中脇初枝さんにお話を伺いました。長く昔話に関わってこられ、また私たちの身近な問題を取り上げた著作も多数あります。中脇さんの本との出会いを紹介します。
連載「オトフリート・プロイスラー(第2回)」
少年と泥棒たちの愉快な冒険物語『大どろぼうホッツェンプロッツ』は、プロイスラーが代表作『クラバート』を構想中、行き詰ったときに書かれた作品でした。『ホッツェンプロッツ』は世界中で評判となり、続編を望む多くの声を受けて3部作となります。
山猫だより「変わったところ」
美術館の裏側(?)、日常について書いています。2ヶ月間の改修工事の後、大きく変化したところは外壁と屋上です。空間が変わると、物の見え方、人の動きが変わることを実感しました。
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